レガシー移行支援--Javaバッチフレームワークと帳票ツール「SVF」が連携

 メディア情報開発とウイングアーク テクノロジーズは6月4日、基幹系帳票システムの再構築分野に向けたソリューションを共同提供すると発表した。

 今回の発表で両社は、メディア情報開発が開発した超並列パラレルグリッドJavaバッチフレームワーク「Parallel Frame」とウイングアークの帳票ツール「Super Visual Formade(SVF)」を連携させる。これにより、汎用機上で運用されていた大規模帳票システムから、Java技術を基盤環境としたオープンシステムで稼動する帳票SOAシステムへのマイグレーションを支援する。

 SVFとParallel Framelを連携させたことで、バッチ処理で作成された帳票用のデータをSVFが受け取り、高性能のオープン系プリンタによるセンター集中印刷、ウェブベースの拠点バッチ印刷、取引先へのFAX出力、軽量PDF出力、CSV出力、TIFF出力、メール配信、電子保存システム連携などの帳票出力ソリューションを提供できるようになるという。

 Parallel Frameは、COBOLなどによるバッチプログラムの設計ノウハウとして広く定着している「構造化設計手法」とJava技術のメリットを融合させたノンプログラム指向のJavaバッチフレームワーク。

 設計フェーズでは構造化設計手法を用いて従来通り設計し、実装段階では専用の開発フレームワーク上で自動的にパターン展開されたロジック構造に対して、ノンプログラミングを指向しながら部品を差し込んでいくパターンフレームワークとなっており、高い生産性と品質でマイグレーションを行うことができるという。

 さらに、専用の解析ツールを利用してCOBOLなどのソースコードやJCLから、使われていないプログラムの棚卸しや、データの波及遡及分析、最新のジョブフローやファイルレイアウト図の自動作成機能などで設計品質を高めるとともに、開発完了後にプログラム仕様書を自動的に生成する機能も実現できるとしている。

 レガシーからオープン系へのマイグレーション手法に関しては、COBOLなどの現行の言語のソースコードをオープンシステムで稼動する同一言語に半ば機械的にコンバート・再利用で、汎用機からの脱却を図る「リホスト」が最も低コストであることは広く知られている。

 しかしブラックボックス化した既存のロジックとしての負の遺産を引き継ぐことと、技術的には新オープンシステムにおける基盤言語がJ2EE/Javaであるのにもかかわらず、帳票バッチ系の言語がCOBOLなどであることから、メンテナンス技術(要員)の重複が発生したり、SOAなど次世代技術への展開に障壁があるため、問題先送り的な手段として敬遠されている。

 だが、その一方で、汎用機で稼動する帳票システムは、COBOL言語などの手続き型の言語によるバッチプログラムを中心に開発されていることから、Javaなどのオブジェクト指向系言語のシステムへと移行もしくは新規開発しようとした場合、設計手法のみならず実装段階での難易度の高さに起因した開発コストや品質の問題が大きな障壁となっている。

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