アルファシステムズ、NGN向け好調で株価反転上昇の兆し

 情報システム開発大手のアルファシステムズの株価が底打ちの兆しを見せ始めている。同社が5月11日に発表した2007年3月期の単独決算と2008年3月期の業績見通しが好調と好感されたことが背景にある。今後の同社の業績動向と、最近4カ月間で25%もの下落を強いられた同社の株価の行方を検証した。

 同社が5月11日に発表した単独決算は、売上高237億1000万円(前々期比6.8%増)、営業利益29億7400万円(同39.5%増)、経常利益31億200万円(同37.3%増)、純利益18億2300万円(同51.9%増)と大幅増益の好調な結果となった。

 主力事業の基幹系通信システムの受託開発分野でNGN(次世代ネットワーク)に対応するシステム開発の需要が順調な伸びを継続したことに加え、携帯電話端末向けソフト開発においては、既存顧客からの受注拡大を図ってきた。また、セキュリティ関連製品を中心に販売品目を拡充し、合わせて自社開発製品やサービスを市場に提供した。具体的には、2006年7月に音声読み上げ電子書籍閲覧ソフト「電子かたりべ」サービスを開始、同年8月にはパケット複製機能付VPNサーバ「alpha W-VPN 1000」の販売をスタートさせいる。

 事業部門別の内訳では、NGN構築のフィールドトライアル開始を受けて、NGNに対応した主力事業のノードシステムのシステム開発の受注が拡大し、この部門の売上高は49億5900万円(前々期比39.6%増)と順調な拡大をみせた。また、モバイルネットワークシステム事業では、携帯電話端末向けシステム開発の需要が旺盛で、売上高83億700万円(同0.3%増)と微増となった。

 さらに、2008年3月期の業績見通しは、売上高262億円(前期比10.5%増)営業利益34億円(同14.3%増)、営業利益34億円(同14.3%)、経常利益35億5000万円(同14.4%増)、純利益21億円(同15.1%増)と2ケタの増収増益を見込んでいる。NGNシステムに対応するシステム開発の受注拡大を予測し、今期の売上高については、62億円(前期比25%増)と高い成長を見込んでいる。さらに、モバイルネットワークシステム事業では、基地局向けシステム開発の受注増を予測して、今期の売上高88億円(同5.9%増)を見込んでいる。

 同社では、継続的に生産性の向上やプレジェクト管理を実施してきていることから、今期の売上高が会社予想通りとなれば、利益は期初想定に比べて上方修正されることになりそうだ。したがって、先週末25日の終値3180円で試算した今期予想のPER18倍台は、今後の上方修正でさらに低下して割安感が顕在化してくるものと予想される。

 同社の株価は、今年1月22日の年初来高値4160円を示現してからほぼ一貫して下落トレンドをたどり、ほぼ4カ月間に25%も下落し、5月11日には3110円の年初来安値を付けた。その後は、好調な2007年3月期決算と2008年3月期業績見通しが明らかになったことをキッカケに、それまで長期下落トレンドにあった株価に反転の兆しがみえはじめている。中期的には4000円台を回復する期待もできそうだ。

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