音楽配信サービス「mora win」、WMP11と連携する新サービスを9月に公開

鳴海淳義(編集部)2007年05月28日 23時48分

 マイクロソフトとレーベルゲートは5月28日、2007年1月30日より開始しているWindows Media Player 11(WMP11)をベースとした音楽配信サービス「mora win」に関する協業を拡大し、新サービスを9月下旬より提供することを発表した。

 レーベルゲートが提供するmora winの配信楽曲数は、2007年5月時点で約30万曲。中心価格帯はシングルが150円〜210円、アルバムが1500円となっている。現在、WMP11から直接アクセスできる「おすすめオンラインストア」に登録されているが、9月よりマイクロソフトとの連携を強め、「音楽の新“ハッケン”」をテーマとした検索ツールやコミュニティなどを追加する。

 まずは「Word Wheel」という名称の検索ツールを利用し、WMP11からmora winの楽曲を高速に検索できるようにする。アーティスト名や楽曲名などを入力すると、「非常にグラフィカルに、高速に表示する」(レーベルゲート 代表取締役社長の今野敏博氏)という。

 また再生中の楽曲から自動的にお薦めの楽曲を紹介する「自動レコメンド」機能も追加するほか、楽曲の再生履歴などでユーザー同士を繋げるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「PLAYLOG」をWMP11に組み込み、同じ趣味を持つユーザーの発見を促す。

 コンテンツ面も強化し、J-waveが運営するインターネットラジオ「Brandnew-J」にmora win上から無料でアクセスできるようになる。mora win上のBrandnew -Jで流れている曲はそのままダウンロード購入できるという。さらにアニメ作品などのビデオ配信も行う予定だ。

 日本における音楽のネット配信は1999年の12月に開始された。そして2002年に携帯電話への配信もスタートし、そして2006年にはついにCDシングルの売上高(508億円)を上回る、535億円を売り上げた(CDアルバムは2936億円)。

mora win有料音楽配信とCD売上(2006年1月〜12月実績、日本レコード協会発表)
これについてレーベルゲートの今野氏は「2006年はエポックメイキングな年となった」と評価した上で、パッケージがすぐになくなることはなく、今後はパッケージとネット配信がコラボレーションする新しい時代が始まると述べた。

mora winレーベルゲート 代表取締役社長の今野敏博氏

 一方でそのネット配信の売上のうち、ほとんどが携帯電話向けであるのも現状だ。いかにPC向け市場を開拓するかがマイクロソフトとレーベルゲートの課題となる。ソニー・ミュージックエンタテインメントで「着うた」サービスにも関わってきた今野氏は、「ユーザーは簡単にはリッチコンテンツには行かない。着うたの前には着メロがあり、さらにその前にはユーザー自らが携帯電話端末で自作していた。今は着うたフルに行ってるが、その先を考えればPC向けとなる」と分析する。ただ、PC向けのサービスには携帯電話ほどの手軽さがないため、その部分を克服する必要はあるという。

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