米国議会は、移民に関する一連の巨大なデータベースを構築しようとしている。米国内のすべての雇用主は、現在雇用している従業員および将来雇用する従業員の移民としての状況を同データベースを使って調査することが義務付けられ、違反した場合は厳しい罰則が課される。
Employment Eligibility Verification System(EEVS)と呼ばれるこのシステムは、米国時間5月21日に上院で審議が開始された法案の一環として創設される。この手続きは6月まで続く見通しだ。同法案が成立すれば、米国の移民およびビザに関する法律のこの時代で最も広範な改正となる。同データベースを使った確認に通らないと職を失うことから、このデータベース法案はすでに「no-fly list(搭乗拒否リスト)」と比較され、市民的自由の擁護者や企業団体から批判を受けている。
米商工会議所によると、現在米国には、少なくとも700万の雇用主が存在するという。同法案は、これらすべての雇用主に既存の従業員および将来の雇用者が提示した身分証明書の確認を義務付けている。社会保障番号を含む従業員のデータは国土安全保障省(DHS)に送られ、違反があった場合は偽証罪が課される。問題がなければ、政府のデータベースが3営業日以内に労働認可確認を発行する。
連邦政府には、労働認可を授与または拒絶した後にそれらの情報を削除するプライバシー義務はない。雇用主は、紙か電子形式かを問わず、すべての文書を7年間保存し、「DHS(および労働省)の役人が閲覧可能な状態に置く」ことが義務付けられる。また、米国税庁の納税者に関する極秘情報のデータベースもDHSおよびその請負業者に開示される。
ベビーシッターを雇っている親も同法の対象となる。Secure Borders, Economic Opportunity and Immigration Reform Actと呼ばれる同法案は、雇用主について「米国内において、雇用目的で個人を雇用、採用、照会しているすべての人または団体」と定義付けており、個人や小規模企業を明確に対象から除外してはいないようだ(この点について、21日に同法案を発案した上院議員らに質問したが、すぐに回答は得られなかった)。
Bush政権や多くの議会議員など、この法案の支持者らは、詐欺に対処し、従業員らが本当に米国で働く資格を有するのかを確認するためには現行法の改正が必要だと主張している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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