ボストン発--Robot Hall of Fame(ロボット殿堂)に関して言えば、ついに現実の科学がSFを凌駕した。
カーネギーメロン大学は米国時間5月15日、当地で開催の「RoboBusiness 2007」カンファレンスで、2007年にRobot Hall of Fame入りを果たした4台のロボットを発表した。25人のロボット研究者で構成される審査員団に選ばれた4台のうち3台は実在の科学者が開発したロボットだった。
カーネギーメロン大学ロボット研究所のディレクターであるMatt Mason氏は、「審査員団が空想科学(SF)ロボットよりも現実のロボットの方を多く選出したのは今回が初めて」と語る。
「われわれはついに人々の期待に応え始めている。これは1つの傾向といえるだろう」(Mason氏)
今回は、子供たちのロボット創作意欲をかき立てる目的で作られたロボット工作セット「LEGO Mindstorms」が殿堂入りした。
ドライバーが不要のロボット自動車「Navlab 5」は、1995年に開催された「No Hands Across America」と呼ばれるプログラムで、ペンシルベニア州ピッツバーグからカリフォルニア州サンディエゴまでの道のりの98%を人間ドライバーの手を借りずに走破した実績が認められ、殿堂入りとなった。
また、1983年〜1984年に開発された一本足跳躍ロボット「Raibert Hopper」も殿堂入りを果たした。ただ、Raibert Hopperの場合は、Raibert Hopper自体が現在の多くのロボットが作られるきっかけとなった画期的発明であるという点が評価された。
「一本足跳躍ロボットは苦戦を強いられている。この種のロボットは、後の二足あるいは四足ロボットのDNAを備えているという点以外に興味は感じない」(Mason氏)
SFロボットを代表して殿堂入りを果たしたのは、Lieutenant Commander Data(データ少佐)と呼ばれるアンドロイドだ。このアンドロイドは、米国の人気SFドラマ「Star Trek:The Next Generation」で俳優のBrent Spiner氏が演じた。好奇心を絶やさず、人間の論理や人型ロボットの権利に対し理性的疑念を抱いている点が評価された。
カーネギーメロン大学Entertainment Tech Center(ETC)のエグゼクティブプロデューサーであるDon Marinelli氏は、「著名なロボット研究者は誰でも、SFから生まれたロボットに刺激を受けた」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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