ニューヨーク発--サムスン電子は米国時間5月7日、Ultra Mobile PC(UMPC)「Q1 Ultra」を発表した。同製品では、「前機種よりも良くなった」というメッセージが前面に打ち出されていた。
マンハッタンのタイムワーナーセンターにあるSamsung Experienceの店舗での記者会見とレセプションにおいてサムスン電子幹部らは、この新製品の改良された外観と、さまざまな機能を披露した。同社は、通常のノートパソコンよりもモバイル性が高く、インターネット接続可能なハンドセット機器よりも機能的な製品を求める新しい市場を獲得することを望んでいる。
サムスン電子は新しいQ1 Ultraに4つのバージョンを用意した。7日に発売開始された「Q1 Ultra-V」は、約2週間で小売店に出荷される予定である。このバージョンは1199ドルで、「Windows Vista Home Premium Edition」と60GBのハードドライブを搭載する。5月中には、価格重視のユーザー向けに設計された799ドルの下位機種「Q1 Ultra-EL」も発売開始される。このバージョンには40GBのハードドライブとよりローエンドのプロセッサが搭載されており、Q1 Ultra-Vに搭載されるカメラや生体認証指紋リーダーはない。
1世代前のOSである「Windows XP Tablet Edition」が搭載されたビジネス向けバージョン「Q1 Ultra-XP」は、6月出荷予定である。
サムスン電子のモバイルコンピューティング製品部門担当シニアプロダクトマーケティングマネージャーであるBret Berg氏は記者会見後のインタビューで、「Vistaのユーザー操作性はもちろん、前機種からの大きな改良点である」と述べた。しかしそれでもXPを搭載したバージョンが必要だったと同氏は述べた。「まだ(Vistaに)移行済みのビジネス顧客はほとんどいない」(Berg氏)
Ultra-XPには、Q1 Ultraのメディア機能のすべては搭載されていないが、ハードウェアはUltra-Vと同一であることをBerg氏は強調した。
Q1 Ultraの最上位機種である「Q1 Ultra-CMV」のリリースは2007年8月になる予定である。サムスン電子によると、その目玉となる機能である「HSDPA」セルラーモデムを携帯事業者のCingularが現在品質検証中であるためだという。Q1 Ultra-CMVには80GBの拡張ハードドライブも搭載される。
Intelのローエンドプロセッサである「Celeron」を搭載した前機種のQ1は1年前にリリースされたが、バッテリが1時間半〜3時間しか持続せず、速度が遅く、キーボードがなかったことから評判が悪く、売り上げも振るわなかった。そのため、Q1 Ultraのリリースイベントでは、前機種に寄せられた顧客からの要望に応えて新製品が大きく改良されていることが強調された。
顧客からの不満の1つに挙がっていたバッテリ寿命だが、Q1 Ultraでは4時間半持続可能で、8時間半持続可能なバッテリを購入することもできる。Berg氏によると、「QWERTY」キーボードを組み込んだのも、タッチスクリーンしか搭載していなかった前機種に寄せられた顧客の意見を取り入れた結果であるという。
Q1 Ultraの4バージョンすべてに、UMPC向けに特別に設計された高速なIntelプロセッサが搭載されており、液晶画面の解像度は、前機種では800×400であったのに対し、1024×600に改良され、輝度も高くなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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