オンライン犯罪に専門対応する「インターネット警察」 - (page 2)

佐々木 朋美2007年05月07日 17時51分

 これまでサイバーテロ対応センターといえば、比較的大きな事件を解決するたびニュースで見かけるような名前でしかなかった。しかし実際にはそれ以外の細々とした事件も守備範囲としている。おりしも最近は高度なスキルを持たない一般の人や未成年者による不法行為が頻発しており、こうした取り組みは、ブランドを立ち上げ、人々に親しみを持ってもらううえで一役買うと思われる。

 さらに警察では4月下旬、インターネット上に有害情報の有無をモニタリングする「ヌリコップス」を一般の人の中から選抜した。選抜されたのは10代から40代までの学生や主婦、IT業界で働く社会人や教師など全国の293人だ。ちなみにヌリコップスの“ヌリ”とは、韓国語でネチズンを現わす「ヌリクン」に基づいているものだ。

 ヌリコップスたちはインターネット上の不法行為などを発見し次第、警察に通報し捜査協力を行っていく。中でも重要な事件の解決に寄与したヌリコップスには、表彰が行われたり報奨金が出されることとなっている。ネチズンがネチズンを見張る、いわば覆面警察のような役割を果たすことになりそうだ。

 こうして見るとインターネット上でのモニタリングや捜査活動は、以前から継続して行われていることが分かる。しかしそれにも関わらず、オンライン上の犯罪や問題は後を絶たないのが現状だ。いたちごっこともいえるインターネット上の不法行為を、こうした活動でどこまでなくせるのかは未知数だが、ネチズンの意識を高めるのには貢献しそうだ。

画像の説明
ヌリコップスのメンバーたち。さまざまな年齢の人が参加していることが分かる。

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