楽天から株式買い増しの通告を受けているTBSは、買収防衛策発動の是非を検討する外部の識者による「企業価値評価特別委員会(委員長・北村正任氏=毎日新聞社社長)」を27日に招集する。また、特別委に先立ち定例取締役会を開き、楽天の通告に関する質問書の内容を固め、送付する予定だ。
特別委では、発動の是非を問う諮問は行わず、これまでの経緯や質問書の説明にとどまる見通し。TBSは、楽天からの回答で十分な情報が提供されたと判断した段階で、改めて諮問する方針だ。
諮問を受けた特別委は、最大90日以内に、楽天の買い増しが、TBSの企業価値を損なう「乱用的買収」に当たるかどうかを検討。乱用的と判断すれば、防衛策発動をTBS取締役会に勧告する。
勧告が出ると、楽天が実際にTBS株を現在の19・86%から20%超に買い増すと、株主総会での過半数の決議を経て、新株予約権の発行による防衛策が発動されることになる。
ただ、特別委の判断をめぐっては、「楽天は20%超への買い増しを表明しているだけで、保有比率からいっても乱用的買収者と判断するのは無理がある」(関係者)との声もあり、TBS経営陣の意向通りに発動が勧告されるかは不透明だ。
また、実際に発動された場合、楽天がその是非を問う訴訟を起こし、法廷闘争に打って出るのは確実。「楽天は1年半近くもTBSと提携交渉してきた実績があり、TBSに不利」(証券アナリスト)との指摘もあるだけに、特別委としても難しい判断を迫られそうだ。
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