携帯電話各社がコンテンツの収益増へ新展開

FujiSankei Business i.2007年04月23日 11時09分
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 携帯電話各社が、携帯向けコンテンツ(情報の内容)などサービスの充実を進めている。ソフトバンクモバイルは電子漫画やゲームを集め、その一部を無料で提供するサービスを3月28日から開始。KDDIは5月11日から、au内の動画配信サイトでゲーム専用の情報番組を立ち上げてコンテンツ販売を行う。

 携帯端末販売が飽和を迎え、音声とデータ通信収入も漸減傾向にある中、急成長を続けるコンテンツ分野を収益源に育て、収入減を補う考えだ。

 また、NTTドコモは携帯向け音楽配信サービス「着うたフル」に定額制サービスを導入する予定で、同分野で先行するKDDIへの巻き返しを図る。

 5月から新サービスを開始するKDDIは、ゲーム雑誌「ファミ通」を発行するエンターブレイン(東京都千代田区)と提携し、au携帯の動画配信サイト「EZチャンネル」でゲーム専用情報番組「ファミ通ゲームチャンネル」を配信する。

 任天堂の「Wii(ウィー)」やソニーの「プレイステーション3」などをはじめとする家庭用ゲームの最新情報のほか、イベント情報やソフト販売ランキングなど旬のゲーム情報を提供する。エンターブレインが「ファミ通」の情報を携帯向けに発信するのは初めて。EZチャンネルでの総合ゲーム情報番組提供も初の試みとなる。

 番組は約7分で、「週刊ファミ通」の発売日と同じく毎週金曜日に更新情報を無料配信する。KDDIは、番組で紹介したゲームソフトや携帯ゲームの情報をKDDI直営のゲームソフトのオンライン販売サイト「au Games」にリンクさせており、販売の成約に応じて手数収入が得られる仕組みだ。

 また、ソフトバンクモバイルは電子漫画やゲームの一部を無料で提供するサービスを始めた。電子漫画は講談社や集英社、白泉社の人気漫画など350タイトルを用意している。同社は、好みの電子漫画1話を無料で楽しめる「タダコミ」やゲーム情報番組を視聴すると週2つのゲームをダウンロードできる「タダゲーム」、音楽情報番組を情報料無料で楽しめる「タダ歌ばん」の提供を通して、顧客の関心を引き寄せる考えだ。

 一方、NTTドコモは、コンテンツの周辺サービスを強化。来月以降に投入する携帯電話の新機種「904シリーズ」の新サービスとして「着うたフル」の定額制を導入する。

 携帯端末で音楽を直接ダウンロードできる「着うたフル」は、これまで1曲ごとに料金が発生する仕組みだったが、定額料金で何曲でも楽しめるサービスを提供することで着うた分野での利用者拡大を狙う。

 モバイルコンテンツフォーラム(東京都渋谷区)の調査によると、2005年の携帯電話向けコンテンツ市場(コマース=物品などの売買=を含む)は前年比4割増の7224億円と大幅に拡大した。これに対して携帯3社の05年度のコンテンツ収入は前年度比1・3%増の伸び率にとどまり、急増する需要を十分に取り込めていないのが現状だ。

 携帯電話各社は、携帯コンテンツ市場の拡大をにらみ、自社コンテンツの充実を通じて顧客の囲い込みを進めるほか、コンテンツ収入を拡大させたい考えだ。NTTドコモが角川グループや日本テレビ放送網と相次ぎ提携するなど、積極的な提携の動きも続いている。

携帯電話コンテンツの市場推移
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