インテル共同創設者A・グローブ氏、米国の医療問題を語る

文:Miriam Olsson(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年04月16日 20時56分
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 Andy Grove氏のIntelにおける長年のキャリアと医療業界に直接の関係はない。ただ、Grove氏は、自身が患者の立場になった際に、医療に興味を抱いたのだという。

 Grove氏は、Intelの共同創設者で元社長兼最高経営責任者(CEO)という肩書きを持つ一方、ベストセラー作家でもあり、これまで数々の賞を受賞している。そのGrove氏が先週、カリフォルニア大学バークレー校のSchool of Public Healthで、ハイテクと医療の関係をテーマに講演した。

 Grove氏は、将来についてさほど楽観的はしておらず、逆に大規模な戦争、恐慌、流行病のいずれかが米国を襲い、その結果、米国の医療政策の転換を余儀なくされるのではないかと懸念している。しかし、同氏は情報技術こそが医療コスト削減のための極めて重要な解決策だと考えている(同氏は、米国の医療費が今後、毎年1300億ドルずつ増加するとの予想データを挙げた)。

 Grove氏は、「仮に何らかの問題が発生した場合、われわれは(医療システムの)枠組みを壊すよりも簡単な解決策が必要だ」と語る。現在の医療システムは、分解し(同氏はこれを「戦略的トリアージ」と呼ぶ)、同システム内に潜むさまざまな問題箇所にITソリューションを戦略的に適用する必要がある、と同氏は指摘する。

 Grove氏は、米国の医療システムが抱える重大な欠点として以下の3点を挙げた。第1に、多くの医療保険未加入者の存在(米国の全人口のおよそ3分の1に当たる4600万人に上る)、第2に、救急医療現場の状況の悪化、そして最後に、高齢者人口の割合(の増加)だ。

 Grove氏は、医療システムの非効率のまん延を取り上げ、最初に、緊急治療室が多くの患者の治療の最初の入り口になっている点を挙げた。同氏は、空いているスペースを借りて個人経営の診療所や病院を開設することが問題解決に向けた出発点になると考えている。また同氏は、大手企業の間で医療保険を含む退職制度を廃止する傾向が強まっている点を挙げた。Grove氏は、20世紀の最も著名なビジネス界のパイオニアの1人という立場から、現在の企業が置かれた状況を理解していると述べ、1例としてWal-Martを挙げた。「(Wal-Martは)悪くない。彼らは、生き延びようとしているだけだ」(Grove氏)

 Grove氏は、医療費削減と効率性の向上のための最初の提案として、携帯チップを使った全国規模の健康ファイルシステムの導入を挙げた。これにより、患者は自分の医療記録を介護施設との間で共有することが可能となる。

 またGrove氏は、第2の提案として、「革新的になること」を挙げた。毎年の医療費が膨大になる中、より多くの人々が在宅治療を受けたり、デジタルファイルやインターネットを通じて病院と情報のやりとりできるようにし、健康状態に関する詳細情報のアップデートや共有が臨機応変に行えるようにすべきだ、と同氏は指摘した。

 「クレジットカード会社や警備会社はこれを実現した。しかし、ヘルスケアシステムは実現していない。われわれは現行のヘルスケアシステムでやっていこうとしたが、うまく機能していない。それなら、なにか違うことをやろうではないか」(Grove氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ

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