東芝は4月12日、経営方針説明会を開催し、2006年度決算の見通しや中期計画概要、主要事業の戦略について発表した。
2006年度の見通しは売り上げ7兆円、営業利益2500億円。この数字は過去最高の売り上げ、歴代4位の営業利益となるが、代表執行役社長の西田厚聰氏は「いずれも十二分に達成できる見込み」と自信を見せた。
中期計画では、2009年度に売り上げ8兆7000万円、営業利益4000億円を狙う。グループ別ではデジタルプロダクツの営業利益率を0.5%から1.6%に改善するとともに、これまでも7.2%と好調だった電子デバイス部門を8.6%にまで拡大していく計画だ。電子デバイス部門には資源の傾斜配分を実施し、なかでも半導体には全設備投資額の58%にあたる1兆円強を投入する予定だ。研究開発費も2007年度から3年間で約1800億円増額する。
力を入れる電子デバイス事業については、NANDフラッシュメモリの価格が毎年50%下落すると見ており、市場の成長率は2006年度から2009年度で24%と予測している。需要拡大には300mm生産能力を増強して対応。月産15万枚の第3製造棟が2007年1月より稼動しており、同年3Qにはその1.4倍規模の第4製造棟が稼動する予定だ。
また、2009年までにカラーテレビ向けの大型な有機ELディスプレイを開発する計画も明らかにした。低分子も高分子も両方使う予定で、低分子は低価格なコモディティモデル、高分子は高価格のモデルに採用する可能性があるとのこと。
東芝は全社経営戦略の1つ「利益ある持続的成長」を実現するためのロードマップとして、成長事業への資源傾斜配分、カンパニー連携プロジェクトによる新規事業推進などを設定し、2010年度には売り上げ9.5兆円、営業利益4800億円を目指す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス