東芝松下ディスプレイテクノロジー(藤田勝治社長)は4月9日、薄型テレビ やモニター向けの21型低温ポリシリコン有機ELディスプレイを開発したと発表 した。
RGB(赤、緑、青)3色の発光層に高分子の有機ELを採用。インクジェット方 式による均一な塗布技術の開発や、電極や有機材料の組合わせの最適化などに よって、低温ポリシリコンを用いた高分子タイプ有機ELとしては世界最大の対 角52.8cm、20.8型画面を実現した。
また、上面発光構造採用と合わせて、新たにナノテクノロジーレベルの光取 り出し構造を各画素内に加え、発光層からの光を外部に取り出す効率を改善す ることで、高輝度化、低消費電力化も図った。画素数は1280×768ドット(WXGA)、表示色は1678万色。
有機ELディスプレイは、ガラス基板上に形成した微細な有機EL層を自発光さ せて画像を表示するもの。早い動きでも映像が流れない高コントラストで鮮明 な画像が表示できるのに加え、視野角が広いのが特徴で、バックライトなどの 周辺部材が不要なため、薄型化も可能。
同社では、低温ポリシリコン技術と有機EL技術の開発を進め、02年4月には、 有機ELディスプレイでは当時最大となる17型ディスプレイを開発。携帯電話、 小型モバイル機器に最適な2-3.5型有機ELディスプレイも開発し、3.5型ディス プレイは量産を行ってきた。今回、21型有機ELディスプレイを開発したことで、 従来は小型が中心だった有機ELディスプレイ製品の応用範囲の拡大が可能とな る。
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