仕事の価値を高める「デザイン」と「クリエイティブ」 - (page 3)

永井美智子(編集部)2007年04月09日 16時43分
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デザイン志向とクリエイティブ・クラス

 このところ、社会的な見栄や給与よりも自分自身の興味で職業を選ぶ傾向が強まっている。結果、長い訓練期間を要する世にいうところの「職人」や、成功確率が低く生活も不安定な「アーティスト」を目指す若者が少なくない。これは悪いことではない。しかし、たとえアーティストと自称していても、実はクリエイティブ・クラスとしての条件を満たしておらず、本来その職業を選択した意味を失ってしまう可能性はつねにありうる。

 本来、新たな価値を作り出すための挑戦が、単に挑戦をし続けるためだけの行為になってしまう=目標達成のためのデザインの不在となってしまっていることはよくあることだ。また、比較的バックオフィスとかスタッフと言われる領域であっても、クリエイティブ・クラスの1つとして、常にデザイン可能な業務を意識し実行できるにもかかわらず、結果的に定型的だが非常に手間だけはかかるオペレーション労働に甘んじてしまうこともある。

 すなわち、業種そのものがクリエイティブ・クラスとみなされていても、あなたの仕事がクリエイティブでもデザイン志向ではなくなってしまっている可能性もあれば、逆に業種や業務がクリエイティブなものでなくとも、気の持ちよう次第でデザイン志向を取り込み、既成観念を超えた新たなクリエイティブ・クラスとしての働き方を確立することもできるのだ。

 昨今、ITやメディア、コンテンツ、あるいは既存の製造とかサービスといっても、結局「顧客視点」というここ10年来言われてきた言葉本来の立場を実践すると、自らが保有する資源だけでは対処できず、結果的にデザイン志向にならざるを得ない、そのためにはクリエイティブ・クラスとしての自覚を持つ必要に迫られているケースが増えている。そのことを受け入れ、積極的に攻めの姿勢を確立できる人や組織は、その提供価値に応じた収益を得られ、時としてそれを大きくすることが可能になる。一方、それができない限り、仕事はアウトソーサーやオフショア(海外へのアウトソース先)に奪わる、あるいは、これまで以上に無味乾燥かつ過酷な労働環境を甘受することしか選択肢はなくなりかねない。

 だからこそ、本当に必要とされているものは何かを、既存の思考の枠組みを外して考え、必要に応じて外部の資源ややり方の導入をデザインするというクリエイティブ・クラスとしての働きを、今あなたはしているだろうか?いわゆる業界の幻想に甘んじているだけだったり、本来の目標を忘れて、見た目だけの(なんちゃって)デザインにだけうつつを抜かしてはいやしまいか。

 今、この瞬間は完全でなくともいいだろう。しかし、明日からでも今の仕事はクリエイティブ・クラスとしての条件を満たし、そして本来あるべき仕事をデザインすることを心がけるだけで、あなたの価値は高まっていくに違いない。そんな「デザインとクリエイティブ」のセルフチェックをしてみてはいかがだろうか。

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