英国の内務省が、街頭での反社会的行為を減らす目的で、国内20カ所に「話す監視カメラ」を設置する計画を進めていると、BBCが報じた。
すでにイングランドのクリーブランド州ミドルズブラで試験的に導入されているこのカメラは、ゴミを捨てるなどの軽犯罪を犯した不届き者にスピーカーで警告する。職員はモニター調整室でカメラ12台の映像を監視し、違反行為を見つけたら市民に直接注意できる。関係者らは、これまでにけんかやゴミ捨てといった軽度の犯罪を防止してきたと述べている。
英国の当局はまた、スピード違反車両を自動的に撮影する「スピードカメラ」も導入している。英国といえば、未来小説「1984年」で監視社会への警鐘を鳴らした作家、ジョージ・オーウェルを生んだ国でもある。
「1984年」に登場する独裁者『ビッグブラザー』のように、姿を見せずに通行人をしかりつけるという発想に対し、プライバシー擁護派からは否定的な意見が相次いでいる。
「われわれ市民に、顔の見えない誰かがどなって命令できるカメラが必要だという考えは、馬鹿げているだけでなく、悲しむべきことだと思う。いったい誰がカメラを設置するのか?」と、反対派のSteve Hills氏は述べている。
以下はブログ界からの反応。
「赤信号(の無視を取り締まる)カメラ。レーダー式スピードカメラ。群衆監視カメラ。今度は、話すカメラだ。どこまでやれば気が済むのか?」--ProfessorBainbridge.com
「これはほとんどジョークのように聞こえるし、相手に話しかけるカメラという部分は特に笑えるが、自分がその場にいたらあまり面白いとは思わないだろう。これが設置されるのだから、オーウェルによる未来の予言は的中したわけだ」--Blog Blog
「こんなものが必要だなんて悲しい(人々があまりに反社会的すぎるので、『リスペクト(英内務省が推進するプログラム)の女王(Louise Casey氏)』が、人々に自分が捨てたゴミを拾うよう教えるのに、50万ポンド(100万ドル弱)を出費する必要があるっていうこと?)。とはいえ、もし人々が自分たちで常識的な礼儀を守らないなら、こんな施策が必要になるということを、自ら証明したわけだ」--Running With Rocks and Paper
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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