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広告会社の真価を問う「情報活動代理店」の認識

海老根智仁(株式会社オプト 代表取締役CEO)2007年04月02日 10時39分
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 インターネットの出現によって、個人も企業も情報発信手段が多様化してきたと思っております。もしかすると、企業の広告活動自体もその情報発信活動の一部に過ぎないと捉えないといけない時代が来たのかもしれません。

 ホットリンクの内山幸樹代表取締役は、週刊現代の連載(2006年12月4日号掲載)の中で以下のように主張しています。

 「私の会社で『比較サイトや口コミサイトを見て、購入を取りやめたことはあるか?』とアンケートを取ったところ、実に52.7%が『ある』と回答したのだ。(中略)つまり、半数以上の人がネット上の口コミ情報に影響されて商品購入を見送っている一方で、企業のホームページには情報量、更新の頻度、そして口コミ的な要素を求めているわけだ。(中略)この10年、企業のホームページはものすごい勢いで普及した。1996年の段階ではまだホームページを持っているほうが珍しかったが、2000年頃から状況は一変。企業にとってホームページは必須のものとなり、ネット検索でホームページが出てこないような企業は、就職活動を控えた学生から相手にもされなくなってしまった。そして口コミ時代が到来するこれからは、その中身が変わっていく。これまでの商品カタログのようなサイトから、リアルタイムに情報を発信し、ユーザーの声も包み隠すことなく紹介するサイトへ。その流れに対応できない企業は、ネットの口コミの波に飲み込まれてしまうに違いない。」

 一方、社団法人日本広告主協会・WEB広告研究会のリリース(2007年2月22日)で以下のことが発表された。

 「主なCGMサイトの利用者・訪問者数は2006年9月時点で、3529万人。インターネット全体(4380万人Active reach)に占める利用者数は80.5%に上る。またCGMの1人あたりの訪問頻度や平均利用時間は、企業サイトを超えた」

 この2つの記述から私が重要と思っていることは、「個人がCGM等を積極的に使用して情報発信をするような時代に、その情報自体に影響を受けるユーザーが増えてきた。また個人が当たり前のようにインターネットを使い情報発信するようになっているので、企業も情報発信を主体的にかつ積極的に行わなければならない(行わざるを得ない)。しかも情報量が多くかつリアルタイムで発信することを求められている」ということであります。

 前回、広告とコンテンツは密接な関係にあると主張しましたが、広告もコンテンツも企業からすれば情報発信(伝達)の一手段であります。

 広告ビジネス入門(1996年3月第11版)によると、広告とは「明示された送り手が、情報活動として、呼びかけたい対象に、有料で行うコミュニケーション」(JAAA試案)と書いてあります。広告とは情報活動でありますが、現在においては企業が行う広い情報活動の1つに過ぎないと私は思うのです。広告業に携わる人は、このことを再認識するべきだと思います。企業が行う情報活動はたくさんあります。また、インターネットという便利なものの出現によって、その提案の幅が一層広がるでしょう。「情報活動代理店になる」。これを難しいと思うか、逆にチャンスと思うかで広告会社の真価が問われるわけです。

海老根智仁
株式会社オプト 代表取締役CEO

大手広告代理店退職後、財団法人社会経済生産性本部において経営コンサルタントの認定を受け、その後1999年9月株式会社オプト入社。2001年1月より同社代表取締役COO。2006年1月より同社代表取締役CEO。慶應義塾大学経済学部卒、産能大学大学院経営情報学研究科(MBA課程)卒、中小企業診断士。デジタルハリウッド大学院教授(「インターネットマーケティング」担当)。「サイバーコミュニティを使った『ニーズ調査』の有効性に関する比較研究」(経営情報学会2000年、共同研究)、「インターネット広告による売上革新」(同文舘出版2006年、共著)等学会・講演活動多数。

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