ニューヨーク発--Web 2.0には実はサイズがあり、縦28mm×横70mmの長方形をしているなどと、考えたことがあるだろうか。
実はこれ、新興企業のMOOが発売している「MiniCards」のサイズだ。このカードは、数世紀にわたって利用されてきた名刺に新たな意味を加え、Web 2.0時代を生きる人たちの「さりげない交流の手段」に変えようとしている。
米国時間3月27日と28日の2日間にわたって当地で開催された「Virtual Worlds 2007」や、3月上旬の音楽見本市「SXSW」、ゲーム業界のイベント「Game Developers Conference」(GDC)、テクノロジ業界の「Technology, Entertainment and Design」(TED)カンファレンスといったマニアの集まるイベント、あるいはここ数カ月に開かれたブロガーが多く集まる会合の場では、多くの参加者がこのMiniCardsを配り歩いていた。表面がラミネート加工されたMiniCardsは、これまでの縦54mm×横86mmの名刺より小さく、表側には連絡先、裏側には自分の好きな写真を印刷できる。
また、サイズが小さいので、通常の名刺を22枚作成できる大きさの用紙で、MiniCardsなら52枚作成可能だ。
このカードがWeb 2.0の文化と強く結びついたのは、「Flickr」「Second Life」「Fotolog」「Bebo」「Habbo Hotel」など、オンラインコミュニティーをベースとしたサービスの利用者の間で、自己紹介に適したツールとして急速に広まったからだ。
このカードが発売された2006年9月当時、購入できるのはFlickrのユーザーに限られていた。ユーザーはこのカードを100枚入りのセット(価格は20ドル)単位で購入すると、1セットにつき100種類の異なる印刷用画像をアップロードできた。また、Flickrのヘビーユーザーは最先端のハイテクを好む傾向があり、彼らの多くが、まるで無償で宣伝役を買って出たかのように、このカードをあちこちで配り始めた。
これほど人気が出た理由としては、ユーザーが好きなようにカードをカスタマイズできたことが大きい。MiniCardsにはどんな画像でも載せられるうえ、各カードごとに異なる画像を載せることも可能だからだ。
実際、Virtual Worlds 2007の会場では、多くのSecond Lifeユーザーが、表面にはSecond Lifeのロゴ、裏面にはさまざまな自分のアバター画像をあしらったカードを配り歩いていた。
「MiniCardsは、今までの名刺と比べてビジネスくささがない」と、Second Lifeの運営元であるLinden Labでコミュニティー担当マネージャーを務めるJeska Dzwigalski氏は言う。「わたしも、自分のアバターをみんなに見てもらうのが楽しいので、イベントがあるとたくさんのカードをポケットに詰め込んで出かけ、みんなに一番好きなカードを選んでもらっている」(Dzwigalski氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス