パイオニアの「music tap」は、家庭の電力線を使って高速通信する新技術「PLC」をいちはやく取り入れたスピーカーシステム。コンセントに挿すだけでスピーカーから音楽が流れ出すという使い勝手のよさと、有機的な曲面で構成された美しいデザインは、AV業界にとどまらず幅広い分野から大きな注目を集めている。そんな革新性にすぐれた「music tap」のデザインが生まれた背景について伺った。
一樂 PLCという技術の登場がきっかけでした。「新しい技術を魅力的な演出によりライフスタイル提案する」これが 弊社の強みになると以前から考えていました。そこに新しい技術PLCが登場したわけです。喫茶店やホテルのラウンジなどでは、なんとなく音楽が流れていて、つい聴くともなしに聴いてしまいますが、それを家庭内で実現するのにPLCという技術が持って来いのものではないかと考えたんです。そこで、合言葉として「音楽が住空間の見えないインテリアになる」というものを掲げ、開発をスタートしました。
一樂 開発の初期段階で、いくつかの調査を行いました。そのとき、いちばん反応がよかったのが、20代後半から30代のDINKSの女性でした。コンセントに挿すだけで音が出るのが分かりやすい、と好評だったんです。それで、中心ターゲットをその層にしぼり、製品のデザインテイストやコンセプトを考えることにしました。
男性の場合は、オーディオに詳しい人が多いこともあって、電力線を通すとノイズが入るのではないかと、音にこだわりを見せる方が多かったんですよ。もっとも、製品自体はリニアPCMをそのクオリティのまま伝送する能力を持っています。
高橋 最初の調査の内容に基づいて、まず、やさしい素材のもの、シャープなもの、自然素材のナチュラルなものなど、いくつかデザインテイストを決め、それぞれのテイストにあったデザイン案を数種類用意しました。そして、それらに対するざっくばらんな意見を再度調査で集めたんです。そこで、リビングやベッドルームだけでなく、キッチンや玄関などにも置きたいという話が出てきたんですね。
最新のホームネットワーク技術「PLC(Power Line Communications)」とオーディオを組み合わせた、全く新しいタイプのオーディオシステム。音源を接続するサウンドステーションとネットワークスピーカーから構成され、どちらもコンセントに接続するだけでホームネットワーク接続が完了。書斎のスピーカーからリビングにあるサウンドステーションの音源を聴くことができる。ネットワークスピーカーSにはモーションセンサーを内蔵し、人を感知して音楽が流れ出す技あり機能も備える。
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