世界的に人気の仮想空間「Second Life」。日本語版サービスの開始も間近ということで、注目度はますます高まっている。
ところでSecond Lifeのウェブサイトを見ると、英語や日本語のほか、ドイツ語と韓国語への対応も用意されていることが分かる。これだけを見ても、運営者の米Linden Labが、英語圏以外にどんな市場を重視しているのかが分かるというものだ。
ただし韓国の場合も日本同様、本サービスが開始されたわけではない。現時点では韓国語によるサービス概要と、ベータ版の韓国語ビューアが提供されているのみである。また日本企業の中では既にSecond Lifeへの進出を果たしている企業もいくつかあるが、韓国企業ではそういった動きは表立って見られていない。
そのせいか韓国におけるSecond Lifeの知名度や盛り上がりは、それほど高いとは言えないのが現状だ。Second Lifeが韓国語版に対応すると同時に、ここ最近ニュース記事で取り上げられることも増えてきたため、反応の早いアーリーアダプターのみが飛びついている段階ともいえる。
そんなアーリーアダプターたちが集う同好会も、インターネット上に誕生している。ポータルサイト「Naver」や「Daum」にはファンによる同好会が結成されており、利用法からバグリポートまで、活発な情報交換がなされている状態だ。
韓国においてこのサービスが盛り上がるかどうかは現状ではまったくの未知数だ。というのは仮想空間で活動するという概念のサービスはもともとあったのだが、それが半端な状態で止まってしまっているため、Second Lifeの今後もそこから占えないのだ。
「DADA WORLDS」は、インターネット上に現実世界を実現して実際の生活や商取引などを行えるようにしたサービスだ。このウェブサイトでは実際に企業が入店できるよう空間を分譲している。分譲価格は空間の広さによって異なる。
ユーザーはこの空間で自分の分身である3Dアバターを通して、友だちと話したり買い物したりできるほか、スキーやバイクに乗るなどのレジャーを楽しむことも可能だ。
このサービスはもともと、2000年に光云大学の仮想現実建築研究室から生みだされたサービスだ。開発当初、企業相手に空間を分譲し始めると、証券会社など韓国の有名企業をはじめ、病院や警察までが事務所を出すなどして話題をさらった。しかしそれから約7年ほど経った現在、ここは活動する人がいない廃墟と化し、空間のみが残されている状態となってしまった。
DADA WORLDSがスタートした当時は、サービスをストレスなく楽しめるほどインターネットスピードが充分でなかったことや、大学の研究室発のサービスであるため事業に専念しにくかったなど、その理由はいくつか挙げられる。こうしてDADA WORLDSは次第に廃墟となっていったのだ。
インターネット上の空間で生活する、という発想自体はそれほど新しいものではないと思われるが、成功できるか否かはサービスする時期や運用法などによっても異なるようだ。
Second LifeはDADA WORLDSとは状況がまったく異なってはいるが、もともと外国企業が苦戦しがちな土壌の韓国において支持を得ていくには、さまざまな現地向け戦略が必要となるかもしれない。
ただし検索やウイルス駆除ソフトなどとは違い、韓国において確固たる地位を確立しているような強力な競争相手がいないという点においては可能性も見える。Second Lifeは韓国市場を席巻できるのか、注目していきたい。
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