次にWright氏は、最も好きだというストーリータイプの1つに話を移した。話の流れが「次から次へと展開していって、突然(予想もつかない形で、一気に)転換する」というタイプのものだ。
Wright氏は、例としていくつかの映画をあげ、そのなかの1つ、「メメント」について、因果連鎖を扱うインタラクティブな手法を採用していると評価して、次のように述べた。
「ある時点で、(映画の)連鎖における未来の時点ごとに、見る者はそれまで見てきたことを再検討せずにはいられなくなる。ある種、インタラクティブなパズルゲームになっている」とWright氏は説明した。
もう1つ、「恋はデジャ・ブ」も気に入っている物語だとWright氏は言う。
「(主人公を演ずるBill Murrayが)体験しているのは、インタラクティブな連続性だ。唐突に、また同じ朝の6時になる。基本的にはこれは1つのゲームであり、主人公はもう一度最初からやり直さなければならない」とWright氏は語った。
映画の中で何度も繰り返される同一の日において、観客は主人公が時間を費やして行っているはずの行動が省略されていることに気がつくようになるが、それは主人公が行うことの大部分を観客がすでに知っているからなのだと、Wright氏は言う。
「しかも、省略されている部分は、われわれが現実に、毎日毎日繰り返して行わなければならないことだ。だから、プレーヤーが不幸にも同じレベルを3回失敗しているのがわかっているなら、あっさりそのレベルをパスさせてやってはなぜいけないのだろう?」(Wright氏)
SPOREのデモを終えたあと、Wright氏は、いかにコンピュータが人々の想像力を拡大し、自己表現のための強力なツールになるかについて語った。
さらに、世界がときに大きなパラダイムの転換をどのように経験するのかについても語った。こうしたパラダイムの転換は以前よりももっと頻繁に起こっている。その原因には、政治的な問題もあれば、環境問題もある。
ゲームは無意味な玩具とみなされることもあるが、ずっと有意義なものになり得るし、ストーリーの作り手がはるかに精巧な世界モデルを構築することも可能になるとWright氏は主張する。
「こういったことによって、われわれは世界を変え、こういったモデルに対する(人々の)認識を変えることができるだろう。この変化が人々の以後の人生にずっと続くことを願いたい」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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