ワコム(山田正彦社長)は3月15日、利用者の署名の特徴を認識できるペン タブレット「サイン認証専用液晶ペンタブレット」の試作機を開発したと発表 した。4月から、国内と欧米、アジア地域に評価用サンプルとして出荷する。
試作機は、液晶画面に電子ペンで署名を直接手書き入力する用途に最適化し たペンタブレット。解像度が横640×縦480ピクセルの5インチ反射式TFT液晶デ ィスプレイを搭載したタブレットと、コード・電池が不要な電子ペンで構成す る。
液晶画面に、紙にペンで書きこむように電子ペンで署名ができ、入力と同時 に、ユーザーの署名が持つ固有の特徴を情報としてタブレットに記録。その情 報を使って専用ソフトで認証を行う。
署名の固有情報の入力には、ワコムが開発したペン入力技術「電磁式誘導方 式」を活用した。試作機では最大512レベルまでの筆圧を感知可能。読み取り 解像度は2540lpi(線数)で、ユーザーの書き込みのリズムやスピードといっ た癖も把握できる。ワコムによると、その認証の精度は、指紋などを利用する 「生体認証」と同程度という。
ワコムでは製品化に向け、タイムスタンプやデータ暗号化などのセキュリテ ィ機能を追加する予定で、最高レベルのセキュリティと不正行為を防止できる 機器として、POS(販売時点管理)システムを導入している企業などを対象に 売り込む。
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