「PLAYSTATION 3」(PS3)をゲームや映画鑑賞のためだけのものだと思って購入したユーザーに対し、ソニーは、同製品がもっと重要な機能を持つ強力な機器として使用可能であることをアピールしたい意向だ。
ソニーが米国時間3月15日発表したところによると、PS3ユーザーは、同製品をインターネットに接続することで、スタンフォード大学の「Folding@Home」プログラムが主導する多分野に渡る分散型の科学的実験に参加することができるという。Folding@Homeプログラムは、 タンパク質の折り畳み過程と、それがどのようにいくつかの重大な疾病につながるのかをより深く理解するための取り組みである。
ソニーの発表によると、スタンフォード大学の同プログラムは、どのようにして人体内の2次元のタンパク質構造が、人間の生物学的機能を決定する3次元の分子に折り畳まれるか、また、なぜ正しく折り畳まないときに、がんやパーキンソン病、アルツハイマー病などの人体を衰弱させる疾病が生じ得るのかという問題に取り組んでいる。
しかしソニーの発表によると、折り畳み過程の研究には、膨大な演算能力を要する非常に複雑な処理が必要であるという。そこで、PS3とFolding@Homeによるイニシアチブが誕生した。PS3ユーザーは、そのゲーム機の強力な処理能力を同研究に提供することができるようになる。これはPCユーザーが、地球外生命体を探索している「SETI@Home」プロジェクトを支援可能であるのと同様である。
PS3ユーザーは、3月23日からPS3のユーザーインターフェースである「XrossMediaBar」(XMB)からFolding@Homeにアクセスし、同プロジェクトにPS3の処理能力を提供することができるようになる予定である。プロジェクトに参加するPS3がアイドル状態になっているとき、Folding@HomeはそのPS3の未使用の処理能力を利用することになる。ソニーによると、タンパク質構造を解析して研究活動に参加できるほか、ユーザーは科学シミュレーションの結果をリアルタイムで参照可能になるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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