フラクタリスト、通期予想を大幅赤字に下方修正--上場後初の通期決算で

永井美智子(編集部)2007年03月09日 11時48分

 フラクタリストは3月8日、2007年7月期通期の業績予想を大幅に下方修正した。売上高は前回予想値の半分以下となるほか、当初2億2000万円の黒字としていた経常利益も3億9000万円の赤字に転落する見込み。同社は2006年10月に名古屋証券取引所セントレックス市場に上場したばかりで、投資家の信頼を損ねる結果となった。

通期業績予想(2006年8月1日〜2007年7月31日) 、単位:円
  売上高 経常利益 純利益
2006年9月時の 予想値 13億 2億2000万 1億2800万
今回予想値 5億8700万 ▲3億9000万 ▲5億3500万
増減額 ▲7億1300万 ▲6億900万 ▲6億6300万
増減率(%) ▲54.8% - -

 売上高を下方修正するのは、第2四半期に見込んでいた大型のSI案件が受注できなかったことなどから、新規案件の獲得が当初見込みを下回るため。「主要顧客である携帯電話向けコンテンツプロバイダの競争環境が激化し、ビジネスモデルが課金コンテンツ中心から広告モデルへとシフトしている。この点への対応ができず、案件の受注ができなかった」とフラクタリストでは説明している。

 また、これまで資産として計上していたソフトウェアの開発費を、監査法人からの指摘を受けて研究開発費として費用処理することなどから、2億3500万円を特別損失として計上する。特別損失の内訳はモバイル事業が1億1400万円、機器連携システムのNomadicNode事業が8500万円となっている。

 フラクタリストはみずほインベスターズ証券を主幹事として、名証セントレックスに10月11日に上場したばかり。監査は上場時、現在ともにあずさ監査法人が務めている。 今回の発表を受けて9日の取引市場では売り気配のまま値段が付かない状態になっている。

 また、フラクタリストは3月から5月まで、取締役の報酬額を30%減額することを明らかにした。経営責任を明確にするためとしている。

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