Officeで利用されている文書フォーマットの標準化を阻止しようとしているとして、MicrosoftがライバルのIBMを非難している。
Microsoftの幹部らは米国時間2月14日、サイトに公開書簡を掲出し、IBMが標準化プロセスへの影響力を行使して、ユーザーが享受する選択肢を狭めようとしていると主張した。同書簡にはさらに、IBMが自社の支持する文書フォーマットを指定するよう政府に働きかけているとも書かれている。
国際標準化機構(ISO)では現在、「Microsoft Office 2007」で採用された文書フォーマット「Office Open XML(OOXML)」を標準として承認すべきか否かをめぐり、評価を行っている。ISO標準であるかどうかを重視する政府機関にとっては特に、このプロセスが重大な意味をもつ。
競合するIBMをはじめとするMicrosoftの競合企業各社は、すでにISO標準となった「OpenDocument Format(ODF)」を支持している。マサチューセッツ州や欧州の一部の国などの政府機関もODFを支持している。
Microsoftは、IBMが「公共機関の調達プロセスを通じて、ユーザーにODFの利用を強制」しようとしており、これは消費者や市場に悪影響を及ぼす行為だと主張している。
同書簡は、Microsoftで互換性および標準規格担当ゼネラルマネージャーを務めるTom Robertson氏と、互換性およびXMLアーキテクチャ担当ゼネラルマネージャーを務めるJean Paoli氏の名で、公開されている。
Robertson氏はCNET News.comの取材に応じ、IBMがISOによるOOXMLの標準化を阻止しようと「幅広い運動を展開している」と述べた。
Robertson氏は「IBMのさまざまな活動は見せかけのように見える。IBMは以前からフォーマットの標準化や、知的財産を自由に利用できるコミュニティーの拡大を呼びかけてきており、Microsoftもそのように動いてきた。なのに、彼らの呼びかけが実現するところまできて、今度は、(OOXMLの)標準化をブロックすることに多くの資源を投入している。IBMは業界内で基本的に間違った所に身を置いている」と言う。
米国時間13日にIBM関係者にコメントを求めたときには、電話でも電子メールでも回答は得られなかった。
IBMの関係者や、反Microsoftの立場をとる人々はこれまで、OOXMLについて、技術的な問題を抱えており、Microsoftがコントロールしているため完全に「オープン」と言えないと主張してきた。
Robertson氏によると、Microsoftが書簡を公開した目的は、IBMの行動が注目されるようにすることだという。同氏は、欧州のもう1つの標準化団体Ecma InternationalによるOOXMLの標準化決議で反対票を投じたのはIBMだけだったことを指摘した。
ISOの標準化プロセスは非公開であるとして、同氏はIBMの行動に関するそのほかの詳細は明かしていない。
「(今回の公開書簡を作成した)目的の一部はIBMがやっていること、そして同社が顧客や業界全体に与えている悪影響を浮き彫りにすることだ」(Robertson氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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