このW-ZERO3[es]用ワンセグ受信チューナーの感想としては、全体として使い勝手は良好だ。
受信感度が悪い、という声を聞く事もあるのだが、電車内などで使うと、受信状況が悪くなり、映像にブロックノイズが載ったりするのは、他のワンセグケータイでも似たようなものだろうと思う。
静止した状態で屋内で見ることをメインに考えれば、十分実用的なキットだ。
なによりW-ZERO3[es]ユーザーにとっては、わざわざワンセグケータイに買い換えたりしなくても、1万3000円程度の追加出費で、一応ワンセグが見られるようになるのだから、これはお得な買い物だろう。
ただ、W-ZERO3[es]のCPUはXScale PXA270 416MHzと、このスマートフォンやPDAとしてはそれなりのハードウエアを持っているのだが、StationMoibleを起動すると、ワンセグ受信というのが、携帯電話というハードウエアには多少重い作業であるのだな、というのがわかる。
起動時に、他のアプリケーションが動いていると、終了することを薦められるし、電話やメールの着信があった場合、自動的にStationMoibleを終了し、電話に出ることができる。再度視聴する場合は、再度StationMoibleの起動が必要だ。StationMoibleがメモリなどのリソースを消費するため、他の用途に使うときはできるだけ解放しようということなのだろう。
カタログなどにはあまり詳しく書かれていないため、「この受信ユニットがH.264をハードでデコードしているのか、ソフトでデコードしているのか」という点がわかりにくいのだが、同社広報に問い合わせたところ「H.264デコードはUSBチューナー本体で行っている。デコードされたデータを別途暗号化し、WS007SHの機種認証を行った上でソフトウェア上に表示している」ということだった。
つまり、非常に重い処理であるワンセグの電波に乗せられて送られてきたデータを、動画に変えるのは受信ユニット内のハードウェアで行っておりこれにW-ZERO3のCPUパワーを食われてはいない、ということなのだが、それだけで、他のアプリケーションを起動させることができないくらいW-ZERO3[es]のパワーを使ってしまうのだろう。
もし、将来、W-ZERO3[es]などの後継がもっとCPUパワーやメモリなどのリソースを持つことができたら、そのときは録画などの機能も満載なワンセグ受信キットを出してほしいと思う。
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