ソフトバンクの第3四半期決算--新料金プラン好評で携帯電話事業は順調な滑り出し

 ソフトバンクは2月8日、2007年3月期第3四半期の連結決算を発表した。

 純利益は219億円の黒字で、前年同期比でも41億円増となっている。売上高は、1兆8223億円(前年同期比125%増)で、営業利益は1972億円(同607%増)。新設された移動体通信事業では1135億円、ブロードバンド・インフラ事業では194億円(前年同期比131%増)、インターネット・カルチャー事業では693億円(同31%増)と非常に好調だった。固定通信事業の営業損益は、前年同期比で257億円改善したものの、23億円の赤字となっている。

 経常利益は1116億円となり、前年同期と比べて1138億円の改善となった。営業利益が増加した一方で、ソフトバンクモバイルの買収にかかるブリッジローンおよびそのリファイナンスにより支払利息535億円、借入関連手数料を282億円が計上されている。

 そのほか、SBIホールディングスの全株式売却やサイバー・コミュニケーションズ株式の一部売却などによる投資有価証券売却益は、807億円を含む872億円の特別利益を計上している。詳細は表1の通り。

表1 ソフトバンク4〜12月連結業績(単位は億円、▲はマイナス)
2006年1-3Q2005年1-3Q増減
売上高182238102125%
EBITDA3824949303%
営業利益1972279607%
経常利益1116▲22-
税金等調整前当期純利益1769855107%
当期純利益21917823%

 また、第3四半期の連結決算は表2の通りとなっている。

表2 ソフトバンク10〜12月連結業績(単位は億円、▲はマイナス)
2006年3月期第3四半期2005年3月期第3四半期増減
売上高70212874144%
EBITDA1540447245%
営業利益847235260%
経常利益489112337%
税金等調整前当期純利益580596▲3%
当期純利益74220▲66%

 決算発表に先立って、ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、ソフトバンクモバイルについて「番号ポータビリティ(MNP)制度開始後は、ソフトバンクモバイルのお客さまが競合他社にとられるのではという前評判もあったが、実際はお客さまも順調に伸びている」と語った。また移動体通信事業は、利益の面でも順調に業績に貢献しているとのことだ。

ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏 ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏

 同社の発表によると契約の純増数は右肩上がりとなり、2007年1月には純増数で16万4000件、純増シェアで43%を記録している。また、ユーザーの3Gへの移行が急激に進展しているのも特徴的だ。ソフトバンクでは、これを(1)3G端末の充実、(2)営業体制およびブランドの強化、(3)3Gネットワークの増強、(4)コンテンツの強化――の4つのコミットメントを推進してきた結果であると考えている。

 ソフトバンクモバイルでは、とくに3G端末の充実に力を注ぎ、AQUOSケータイなどのワンセグ端末や多彩なスリム端末を次々と投入した。また、あらゆるニーズに応えるべく、端末機能の強化に加えてカラーバリエーションも豊富にそろえた。

 営業体制およびブランドの強化については、積極的なプロモーションに加え、家電量販店との強固な関係を築いている。また、基本使用料980円という「ホワイトプラン」も認知が進み、3週間で105万件もの加入数を記録した。また、1月25日にはホワイトプランのオプションとして、月額980円を支払うことで通常30秒21円の国内通話料が半額の30秒10.5円になる「Wホワイト」も発表した。孫氏は「先日発表したWホワイトは、競合他社の1万円程度の料金プランと同等の通話料金となる。どこから見ても文句の言いようがない、わかりやすい料金プラン」と、その期待を語る。

 端末の割賦販売方式「新スーパーボーナス」の導入は、販売奨励金などに頼った端末販売モデルを正常化し、長期ユーザーの獲得を目指しているとのことだ。一部顧客とのトラブルも報道されているが、「お客さまに十分ご理解いただき、納得してご利用いただけるよう、スタッフの指導を強化している」と語った。

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