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野村総研、上場来高値更新--日本版SOX法施行も追い風に

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 野村ホールディングス系システム構築大手の野村総合研究所(NRI)の株価が堅調な推移となり、上場来高値を更新、2万円の大台に迫る勢いをみせている。主力部門の金融機関向けIT(情報技術)ソリューションサービスの拡大で足元の業績が順調に拡大しているのに加え、中期的には日本版SOX法の導入に伴う内部統制ルール導入に伴う需要拡大も追い風となりそうだ。

 野村総研が1月26日に発表した2007年3月期の第3四半期(2006年4〜12月)の決算は、売上高2223億円(前年同期比11.6%増)、営業利益329億円(同33%増)、経常利益349億円(同34.4%増)、純利益209億円(同34%増)となった。

 野村ホールディングス向けをはじめ、保険業向けの開発案件が増加した金融業向けがけん引役となったほか、郵政公社向けを主体とした官公庁向けシステム開発や、ソフト関連製品が堅調な推移をみせた。また、データセンター運用部門では、共同利用型の総合証券システム導入などで顧客数が増えた。

 利益面では増収効果に加え、プロジェクト管理効果による原価低減、エンジニアの稼働率向上、中国への開発委託による採算向上などにより売上高に対する営業利益率が向上した。

 第3四半期までの累積業績は好調な推移をみせているものの、第4四半期には東京・大手町地区に分散しているオフィスを同・木場の総合センターへの集約に伴う移転費用で約10億円、内部統制などの社内システム整備関連費用で10億円の合計20億円の費用が発生する。そのため、2007年3月期通期の業績上方修正を見送ったものの、収益環境は金融業界向けを中心に好調な推移が見込めることから、上方修正の可能性が濃厚となっている。

 来期も主要顧客である野村ホールディングスをはじめ、金融関連事業向けの順調な受注が見込まれていることから、増収増益基調が堅持される見通しだ。

 さらに、中期的な追い風として受注増加が期待できるのが、2008年度からスタートする「日本版SOX法」関連だ。

 SOX法は米国で2002年に制定されたもので、企業の内部統制の整備を義務化する法律。SarbaneとOxleyという2人の下院議員の名前を取ってSOX法と名づけられた。日本では「金融商品取引法」と「会社法」が内部統制を義務化しており、「内部統制報告書の作成」と「内部統制報告書に対する監査証明書の義務付け」が示されている。

 企業側としては、2008年3月までにこうした基準をクリアするためのセキュリティ関連、文書管理、基幹業務統合(ERP)ソフト投資を急がなければならない。市場関係者によると、2009年3月までに「国内IT市場で少なくとも4000〜6000億円程度の関連特需の発生が期待できる」との見方も出ており、野村総研にとっても追い風になると期待されている。

 同社は第3四半期の決算発表と同時に3月末の株主を対象に、従来の1株を5株にする株式分割を発表すると同時に、2007年3月期の年間配当を従来計画に比べ10円増の180円(前期比40円増)にする増配計画を明らかにした。これを好感して、株価が急伸した2002年6月以来約4年半ぶりとなる上場来高値を更新。短期間に急騰した後だけに、小幅な調整の想定は必要なものの、中期的な業績の好調を反映して2万円台での株価推移が期待できそうだ。

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