PCの新しい周辺機器として地上デジタル放送のワンセグチューナーが人気だが、本機はアナログAV出力端子を備えた“AV機器”としてのポータブルワンセグチューナーである。
USBなどのインターフェースの代わりに、コンポジット映像出力端子とステレオ音声出力端子を装備していて、テレビやポータブル液晶モニターなどとアナログAV接続できる。
付属の小型ACアダプターで作動するほか、内蔵バッテリーでも約3時間のアウトドア受信ができる。また、市販の自動車シガーソケット用の電源アダプタ(DC4.2ボルト変換)も利用可能だ。液晶などのモニター画面は備えていないので、ポータブル液晶やカーモニターなどとコンビで使うことになる。
ピアノブラックとシルバーメタリックの本体は、車のダッシュボードに置くと反射が目立ちそうだが、手のひらにのるほどコンパクトだ。重量も約125gと軽量なので、バッグに入れたり、車に乗せて気軽に持ち運べる。
テストでは、AVモニター入力が可能な同社のポータブルDVDプレーヤー「G-MWP7020P(S)」と接続し、視聴してみた。接続はコンポジット映像とステレオ音声ケーブルで行う。S映像端子は装備していないが、ワンセグの画質からするとコンポジット接続で十分だろう。
操作はいたってシンプルで、最初にチャンネルスキャンをすれば準備完了。本体の十字キーの上下でチャンネルを選び、左右で音量を調節をする。テレビ視聴中に決定ボタンを押すとEPG番組情報が表示され、3番組先まで番組情報が見られる仕組みだ。データ放送の表示には対応していないが、字幕表示は可能だ。
ワンセグの特徴として、電波が受信レベル以下だと全く視聴できず、レベルを満たせばクリアに視聴できる。見えるか見えないか、の二択なので受信感度がカギになる。東京都世田谷区で正午にテストしてみたところ、1階の屋内では付属の5段ロッドアンテナを伸ばしての受信は厳しく、窓際に寄って数局が途切れがちに映る程度だったが、空の開けたベランダに持ち出すと、たまにコマ飛びが起きるものの全局受信できた。
同じロケーションでPC用ワンセグチューナーのロッドアンテナ受信を試してみたところ、ほぼ同じ受信状態だった。ワンセグの受信感度は時間帯にも左右されるようなので正確な判定は難しいが、本機のロッドアンテナは5段と長いことを考えると、もう少し感度がほしい印象もある。
とはいえ、室内や車載使用の解決策も用意されている。ロッドアンテナは市販のマグネットアンテナ(車載用の固定アンテナ)の端子(SMA-Jコネクター)を採用しているので、車や室内の受信ではマグネットアンテナや室内アンテナ線を繋ぐと安定して受信できるだろう。
表示画質は、モニター側のスケーリング機能や映像回路によって変わるが、DVDプレーヤーG-MWP7020P(S)の7型ワイドモニターで見ると、PC用ワンセグチューナーの映像より滑らかで圧縮ノイズも比較的目立たない。大画面テレビと繋ぐとさすがに荒が分かるが、10型前後のモニターなら十分に視聴に耐えるだろう。
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