松下電器産業は2月1日、2007年3月期の第3四半期(2006年10〜12月)連結決算を発表した。
プラズマテレビやデジタルカメラ、カーナビなどの売り上げが好調で、売上高は四半期ベースでは過去最高となる2兆4368億円(前年同期比2%増)となった。営業利益は1358億円(同5%増)と、1990年以来の高水準のとなった。また、税引前利益は1444億円(同15%増)、純利益は787億円(同60%増)と大幅な増益となった。また、通期見通しについては売上高を8億9500万円から9兆円へ、純利益を1900億円から2050億円へと上方修正した。
国内の市販商品のうち、主力のプラズマテレビの出荷統計は、前年比32%増の他社対し、同社は61%増、シェアも70%以上と一人勝ちの状態。液晶テレビも含んだ37型以上の薄型テレビのシェアは3割と堅調。プラズマテレビは液晶テレビとの価格競争でインチあたりの販売価格は下落する一方だが、高インチ製品の販売による相対的な粗利向上とコストダウンの結果、高収益となったとした。
現在、薄型テレビ市場ではプラズマより液晶テレビの売り上げが優勢とされる感があるが、松下電器副社長の川上徹也氏は、今後の高インチ・高精細化要求に伴う市場予測や、液晶と比較した生産コストの面や環境への配慮、視聴のしやすさなど、プラズマテレビの優位性をアピールした。
DVDプレイヤーも、他社が前年比40%減少する程度で推移している中、テレビとの連携機能が功を奏し3%増加となった。家電製品では、新開発の「気流ロボット」機能搭載のエアコンが評価され、前年比25%増と好調。小物商品部門では、ナノケアヘアードライヤーなど、特徴ある商品を投入し、シェア50%以上と順調に伸びた。
海外の前年同期比販売実績は、欧州で8%増とプラズマテレビやデジタルカメラの販売が好調なほか、中国でも16%増となった。米州はアナログ家電売り上げの急激な落ち込みやビクターの不振もあって6%の減少。アジアではWindows Vista発売前の買い控えなどの影響か、IT需要がひと段落したため8%の減少となった。
事業別に業績を見ると、まず、AVCネットワーク事業は、プラズマテレビが全世界で前年比.30%増の販売を達成するなどし、過去最高の業績を牽引する一方、PC用のドライブの低迷や、海外部門を縮小してようやく黒字転換したモバイルなど、次期の業績回復のための課題も挙げられる。
アプライアンス事業では、エアコンなどの売り上げが好調なものの、原材料の高騰の影響で営業利益率は減少し、デバイスは、一般電子部品や電池が好調で前年同期で二期連続の増収、営業利益率は7.1%と高水準を維持。このほか、松下電工、パナホームは営業利益率5%台を維持。その他の事業も堅調だが、日本ビクターは減収減益の厳しい状況で、今後の課題のひとつとなっている。
今期9カ月累計の業績では、AVCネットワーク、アプライアンス、デバイス、その他の4部門とも、2003年度の利益水準と比べておよそ2倍に伸びているとした。
業績のほか、配当と自己株取得による株主還元についても発表。自己株取得枠を500億円追加し、本年度合計を1500億円、配当の500億円を合わせるとトータルで2000億円の株主還元となる。
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