ヤフー第3四半期決算、スポンサーサイト広告などが予想外の伸び

 ヤフーは1月23日、2007年3月期の第3四半期(2006年10〜12月)連結決算を発表した。

 売上高は、スポンサーサイト広告、オークションシステム利用料、情報掲載料等の収入が予想以上に伸びたため、545億円(前年同期比16.9%増)と、事前予想レンジの517億円〜552億円の上限に近い実績となった。なお、前年同期比較において子会社であったセブンアンドワイを控除すると、売上高は前年同期比25.9%の増加となる。

 また、営業利益は276億円(前年同期比31.1%増)、経常利益は266億円(前年同期比29.5%増)、純利益は151億円(前年同期比19.8%増)となった。費用の伸びを全般的にコントロールしたことにより、経常利益は見通しのレンジ240億円〜265億円の上限値を上回る結果となった。

 事業別に業績を見ると、まず、広告事業においては、大手広告主の広告宣伝費の支出が抑え気味となるなど、引き続き広告市場全体の停滞感の影響を受ける状況であったが、ターゲティング型広告など広告主のニーズに合わせた商品の販売に注力したほか、「Yahoo!ショッピング」の出店ストアなど、小口商品の広告主の獲得に努めた結果、広告主数が大きく増加した。スポンサーサイトも、例年見られる年末休暇による利用者数低下の影響が小さく、売上を伸ばし、売上高は、前年同期比20.2%増の217億円となった。

 また、この第3四半期から新しい広告掲載結果の測定方式であるCSC(Client Side Counting)を導入した。CSCとは、IAB(Interactive Advertising Bureau)が提唱する国際的なカウント基準に合致する測定方式のことで、測定単位はインプレッション。検索ロボットなどからのアクセスを排除して、実際に利用者に到達した広告の数を集計するため、配信された広告の数をより高い精度で測定できるようになる。

 第3四半期のこの結果は、従来のページビュー(PV)方式では1000億8800万PVだったが、CSCでは1134億9300万インプレッションで、その差は13.4%増となった。純粋な数値を測る方式のため、この数値は減少することが予想されていたが、結果は逆に増加した。これには、検索ボットなどからのアクセス数を排除することによる減少と、キャッシュ(利用者からの再要求分)を数えることによるカウントの増加という両面の影響が発生した。

 代表取締役社長の井上雅博氏は「この増減はサービスによってかなりのばらつきがあるうえ、季節的な要因なども考えられるので、今回の結果からCSCを導入した傾向がつかめるわけではない。引き続き分析していきたい」とし、2007年1月からは、この数値も公開していく予定だ。

 ビジネスサービス事業では、「Yahoo!リクナビ」「Yahoo!不動産」の売上が好調に推移し、売上高は128億円(前年同期比37.9%増)となった。また、「Yahoo!オークション」「Yahoo!ショッピング」において、引き続きストア数の拡大に努めた結果、第3四半期末のストア数は合計で2万5061店舗と、前四半期末比では2757店舗(12.4%増)増加、前年同期末比では1万3040店舗(108.5%増)増加した。年末商戦に合わせた様々な販促企画も寄与し、テナント料および手数料収入が大きく伸びた。

 パーソナルサービス事業では、「Yahoo!オークション」において、第1四半期より展開している利用者の拡大策を更に推進し、10月からYahoo! JAPAN IDのみで入札が可能となるキャンペーンを開始した結果、新規入札者数が大幅に増加。さらに冬物ファッションやおもちゃ等の取引が活況であったほか、出品無料キャンペーン等の販促企画による効果もあり、1日平均取扱高が初めて20億円を突破、取扱高が大きく伸び、売上高は199億円(前年同期比25.7%増)となった。

 決済・金融サービスである「Yahoo!ネットバンキング」では、10月から「Yahoo!オークション」の代金決済サービス「オークション出納帳」の提供を開始した。代金の請求および支払いが簡単、スピーディーに行えるほか、預金口座番号を知らせずに取引できるなど、利便性・安全性を高めた。今後は、プロモーション活動に注力し「Yahoo!ネットバンキング」の取扱高の拡大を目指すとしている。

 2006年度第4四半期の見通しについては、以下の表の通り。販売管理費は、主にミッドタウンへの事務所移転に伴い、第3四半期と比較して約5億円の増加を見込んでいる。また、事務所移転に伴い、特別損失が約12億円発生する見込み。

ヤフー2007年3月期第4四半期(2007年1〜3月)決算 見通し(単位:億円)
項目 第3四半期(2006年10〜12月)実績 第4四半期(2007年1〜3月)見通し
売上高
545
542〜562
経常利益
266
261〜272.5
純利益
151
142.5〜150

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]