本体側面には高域補完、音場モード切り替えが行えるスイッチが付属。オン・オフで音がどう変わるのかも、確認ができ、より自分の好きな音の組み合わせを考えられる。
このように全ての操作を本体だけで行える。慣れてしまえば直観的に操作ができるので、1曲ごとに音質や音場を変化させて、違ったニュアンスで聞くという使い方もできる。
では実際に使用してみよう。高音補正モードの効果は、特に分かりやすい。高域が伸びやかになり、音に厚みが出てくる。例えばギターやハイハットもきらびやかになり、臨場感を得られるようになった。また曲によってはこれまでは意識していなかったキーボードの音や効果音も聞こえやすくなり、生っぽさを感じられるようになる。
では音場効果はどうだろうか。通常ヘッドフォンを使用すると頭内定位といって、頭の中に音場ができて広がりを感じなくなってしまう。だが、音場効果をオンにすると自分の頭の外でも音が鳴っているように感じ、楽器同士の空間ができあがる。
ただ効果を強めすぎると、バランスが崩れてしまい、東京ドームでライブを見たときのように、ワンワンと音が反響しているようなことになる。あまりにも不自然さを感じるようであればレベルを下げて使った方がいいだろう。
意外な効果を実感できたのが映画ソフト視聴での利用だ。サラウンド専用モードを搭載しているわけではないのだが、映画のサラウンド感はかなり出る。セリフはしっかりと目の前で聞こえながら、物体が移動して行く感じや、効果音なども広がりもしっかりと再現していた。PCでDVDを頻繁に見る人は重宝するかもしれない。付属のヘッドフォン以外でも使用できるので、本格的な高音質ヘッドフォンをサラウンドヘッドフォンにして楽しむこともできる。
厚みのある高域、広がりのある音場調節など、かなり効果は実感できた。筐体もスタイリッシュだし、サラウンドヘッドフォンとして使えることなど、総合的に考えれば、7800円という価格はかなりリーズナブル。
同様の機能をもつマクセルの「Vraison」と比べると、音色自体に対して細かい設定ができない点は残念だが、その分、PCのOSを選ばずWindowsでもMacintoshでも使用できる汎用性の高さ、ソフトウェアをインストールせずに設定できる簡単操作などは魅力だ。
またUSBケーブルやACケーブルをつながないと使えないため、持ち運んで使いたい人には不便かもしれない。だが、PCの音源でも、それぞれの効果は充分に感じられる。PCをメインに遊びながら音楽を楽しみたいという方にはオススメの商品だ。
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