旅行や仕事など、海外渡航をする人が多くなっている。今回は「海外旅行、海外赴任時における予防接種について」をテーマに調査を実施し、病気への自己防衛に関する意識をレポートした。
今回の調査は1月12日〜1月15日で行い、全国の1494人の男女(男性52.68%、女性47.32%)から回答を得た。また調査に回答した年齢層は10歳代が17.6%、20歳代が19.95%、30歳代が18.01%、40歳代が17.4%、50歳代が16.6%、60歳代が8.3%、70歳以上が2.14%であった。
海外旅行、海外出張、海外留学など海外渡航の経験者は7割、そのなかで4回以上の海外渡航経験者は5割以上、年に1回以上定期的に渡航する人が1割以上と海外渡航経験者と渡航頻度の高さを示す結果となった。また渡航先で多いのは、中国や台湾、韓国などの東アジアが55.58%、米国が55.38%、フィリピンやタイ、マレーシアなど、その他のアジア地域が38.12%の順となった。
海外に行く前に、渡航先の治安や犯罪の状況の情報を入手した人が6割弱だったことに対し、渡航先で流行している伝染病や衛生状況の情報を入手した人は3割、渡航先の病院などの医療情報や医療を受ける際にあると便利な携行品の情報を入手した人は2割、渡航先で流行っている伝染病などの感染ルートや予防法など詳しい情報を入手した人は1割となった。治安、犯罪からの自己防衛意識が高い一方で、病気からの自己防衛意識は低いことがうかがえる。
海外渡航する前に予防接種を受けた経験者は、海外渡航経験者の2割と低い結果となった。予防接種を受けた理由は、法律で予防接種が定められているから(46.38%)が最も多く、自分自身で伝染病などの情報を入手して必要と感じたから(25.12%)、旅行会社の担当者に勧められたから(5.8%)であった。
また予防接種を受けなかった理由は、予防接種の必要がない地域だから(63.83%)という回答が圧倒的に多く、海外旅行で予防接種が必要とは考えなかったから(17.72%)、旅行会社や病院で特に勧められなかったから(14.2%)といった回答が続く。今後伝染病や予防接種の情報を本人が入手するとともに、病院や旅行会社などが積極的に情報提供をする必要性が伺える結果となった。
最近フィリピンで狂犬病に感染した男性が死亡したという報道があったが、これについて知っている人は8割以上で、法律で予防接種が義務付けられていなくても、伝染病の感染から防衛するため、出入国の際の予防接種を義務化すべきであると考えている人はおよそ7割という高い数字を示した。
また今後の安全な海外渡航のために必要なのは、渡航者自身の伝染病や医療情報に対する意識を高める(65.46%)、旅行会社で積極的に伝染病や医療情報を提供して、渡航者に自己防衛を働きかける(62.99%)という回答が多かった。そのほかにも海外渡航者を対象とするだけではなく、伝染病の危険性について、厚生労働省やクリニックが広く国民に啓蒙する(41.63%)、厚生労働省などの公的機関がポスターやリーフレット、メディアなどを通じて海外の伝染病や医療情報を積極的に提供する(39.63%)、トラベルクリニックを実施している病院などが積極的に情報提供し、予防接種を勧めたり、常備薬などのアドバイスをする(27.44%)という回答が出された。
厚生労働省、旅行会社、トラベルクリニックなどに広く、伝染病や医療情報などの情報提供をして、病気に対する防衛意識を高めるよう働きかけることが求められていることが伺える結果となった。
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