業界団体が、より高速なPCIテクノロジの第2世代バージョンを正式発表した。ビデオカードからInfiniBandアダプタまで、あらゆるものをコンピュータに接続するのに利用される。
PCI Special Interest Group(PCI SIG)の認可により、PCI Expressのバージョンが2.0になった。PCI Special Interest GroupはPCI Expressの仕様を策定している業界団体で、予定通り米国時間1月15日に同規格の新バージョンを発表した。
PCI Expressとは、1990年代に登場して以来ほぼすべてのサーバやパソコンに採用されてきたPCI (Peripheral Component Interconnect)規格をもとに新技術への対応を行った後継規格で「レーン」1本あたり2.5Gbpsの転送ができる。レーンとは、導線やピンなどを用いたコンピュータとプラグインデバイスの間の電気的な接続のこと。PCI Express 2.0ではこれが倍の5Gbpsになる。従来のPCI Expressと同様、複数のレーンを束ねて使うことができる。
PCI SIGのチェアマンAl Yanes氏によると、PCI Express (PCIe) 2.0の最初の実装はおそらく、これから約1年で登場するだろうという。
同氏は「PCIe 1.0のときと同様、PCIe 2.0を真っ先に取り入れるのはグラフィックマニアだと見込んでいる」と述べた。InfiniBand、Ethernet、Fibre Channelといった高速ネットワークカードにも用いられる予定だという。
ただし、PCI Express 2.0の速度は必ずしも一定ではない。たとえば、新規格は上位互換性があるため、古くて遅いデバイスを接続することもできる。また、拡張仕様でハードウェアによるPCIコネクションの速度調整が可能である。
Yanes氏は、管理ソフトによるリンク速度の調整が可能になる予定なので、最大速度でのPCI転送が必要でない場合に消費電力を下げることができるだろうと説明する。この動きは、近年の過剰な消費電力増加とそれにともなう廃熱問題の緩和を目指した、コンピュータ業界の取り組みの一環である。
消費電力の多いグラフィックカードへの対応も進めている。別々のOSを実行する複数の仮想マシンから、ネットワークカードなどのPCIデバイスを容易に共有するため、Input-Output Virtualization(IOV)と呼ばれる機能も設計された。
デバイス構成の選択肢も増えた。PCI Express Cableの仕様で、プラグインスロットだけでなく、導線1本あたり2.5Gbpsのデータ転送速度を持つ10メートル以下の標準化された銅ケーブルにも、PCIデバイスを接続できるようになる予定。この技術は、ハイエンドサーバに多数のネットワークカードをハウジングした入出力拡張モジュールを追加するなどの作業に適している。
Yanes氏によると、ケーブルの仕様策定は2007年1月中に完了する予定だという。同氏は、2007年中には仮想化関連の別の取り組みからも成果が出てくる予定だとしつつ「IOV仕様は2007年中に形になると見込んでいる」と付け加えた。
最後に、Geneseoというコードネームで呼ばれる長期的な取り組みがある。これは、グラフィックカードや暗号化アクセラレータカードなどのコプロセッサカードを、CPUとより密接に結びつけるためのものである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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