トーバルズ氏:「DRMやGPLは今後も論議を呼ぶだろうが、重大事ではない」

文:Colin Barker(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年01月17日 19時03分

 オーストラリア、シドニー発--デジタル著作権管理 (Digital Rights Management:DRM)とGNU General Public License(GPL)について多くの「たわ言」が飛び交っているが、それは「重大事」ではないとLinuxの製作者、Linus Torvalds氏は語る。

 DRMは、音楽や映画といったコンテンツのコピーや配布の管理に使用される技術。一方、「GNU General Public Licenseバージョン3(GPLv3)」はFree Software Foundation(FSF)が起草したソフトウェアライセンスで、フリーソフトウェアやオープンソースソフトウェアのコピー方法や改変方法の規定を目的としている。

 Torvalds氏は、DRM技術とGPLv3はどちらも多くの論議を呼ぶだろうが、物事をより大きく見れば、どちらによっても優れた技術の普及が妨げられることはない、と指摘する。

 Torvalds氏は現地時間1月16日、当地で開催されているLinux.conf.auのインタビューの中で、「間違っているかもしれないが、私が思うに、DRMやライセンシングなどの話題になると、人々は大変興奮するのではないか。人々は非常に説得力のある意見を持っている」と述べ、さらに「最後は、人々が議論したくて仕方がない状況になる。無論、私もその中に含まれている」と語った。

 しかし、その熱狂にも関わらず、議論自体はさほど重要ではなさそうだ。

 「思うに、(DRM技術とGPLv3の問題については)多くのたわ言やデマが飛び交い、多くの人々の感情を傷つけ、多くの議論が巻き起こるだろう。しかし実際のところ、それは大問題になるだろうか。私は、さほど大きな問題にはならないのではと考えている。しかし、その答えは時が経てば分かるだろう」(Torvalds氏)

 Torvalds氏は、DRM技術に対し大きな嫌悪感を抱いていることを認めた。その理由は、同技術はユーザーの人生をより面倒なものにするためだという。

 「私がDRMを特に嫌う1つの理由は、DRM技術を適用した場合の方が適用しない場合に比べ、ソリューションとして技術的に劣っているためだ。実際、DRMは人々がやりたいことを行いづらくしている。DRM技術は、本来可能であるべきことをより困難にしている」(Torvalds氏)

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