KDDIは1月16日、auのWIN端末10機種を発表した。10機種中7機種にワンセグを搭載し、映像面での強化を図った。すでに発表されている「W43HII」やCDMA 1Xモデル3機種をあわせた14機種で春商戦に挑む。
auでは、音楽配信サービスLismoの提供をはじめとして音楽機能に注力する一方で、au design projectをはじめデザイン性の高い端末を提供してきた。KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏は春モデルについて「音楽やデザインだけでだけでなく映像を強化した」と説明する。
発表された端末は、京セラ製端末では「W51K」および、デザイナーの吉岡徳仁氏が手掛けたau design projectの「MEDIA SKIN」、東芝製の「W52T」および「W51T」、シャープ製のAQUOSケータイ「W52SH」、カシオ計算機製の「W51CA」、三洋電機製の「W51SA」、日立製作所製の「W51H」、パナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「W51P」、Sony Ericsson製の「W51S」。W51HとW51H、W51S以外の端末すべてでワンセグの視聴が可能だ。さらにMEDIA SKINでは26万色のQVGA有機ELディスプレイを採用するほか、各端末でハイビジョンテレビにも採用されるIPS液晶の技術が採用されている。
同社のau design projectモデルとして発表した「INFOBAR」「talby」「neon」の3製品と、今回発売が決定したMEDIA SKINは1月15日、ニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art,New York)のコレクションに選定されている。
今回発表した新端末では、映像機能だけでなく音楽機能も強化している。同社の2006秋冬モデルでは、75%のユーザーから満足しているという声を得たというが、さらに音質改善を実施したほか、Lismoの音楽検索サービス「Lismo Music Search」も提供する。現在、携帯電話に向かって鼻声を歌うことで似ている楽曲を検索する「うたって検索」やテレビなどで流れている楽曲を携帯電話に聴かせて楽曲を検索する「聴かせて検索」を提供しているが、加えてアーティスト名や歌詞、キーワードによる楽曲の検索が可能になる。
また、音楽再生アプリケーションの「au Music Player」も機能を拡張している。ビデオクリップの再生に対応したほか、再生楽曲に関する情報の表示やLismo Music Searchとの連携ができる。KDDI au商品企画本部長の井上正廣氏は「プレーヤーそのものが楽曲ポータルになる」と説明する。
インターネット機能の面でも、「PCサイトビューアー」がワイドVGA液晶やFlashに対応したほか、PC同様のポインタによる操作、3画面までのタブ切り替え、ファイルのアップロードやダウンロードにも対応している。
そのほか、「端末のコンセプトにもよる」(井上氏)としながら、おサイフケータイのラインナップも広げていく予定だ。EZFeliCaを活用したクーポンサービスである「auケータイクーポン」も提供する。
各端末は1月から3月にかけて順次発売していく予定だ。価格に関しては明らかにしていないが、旧モデルである4X系端末とはインセンティブの価格で差をつけており、春には4Xモデルと今回発表された5Xモデルの端末が販売店で並ぶことになるという。
番号ポータビリティ制度(MNP)によるユーザーの動向が落ち着き、春商戦に向かうKDDIだが、戦略については「MNPであるかないかにかかわらず、あくまでお客様満足度を上げるための商品サービスをそろえていく」(小野寺氏)。また、今後はコンシュマー向け端末だけでなく、法人ユーザーに対してビジネス向け端末を提供するほか、モジュール型の端末も手がけることで、市場を拡大していくとした。
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