トレンドマイクロ(エバ・チェン社長兼CEO)は1月11日、06年1月1日-12月31日までの日本国内のウイルス感染被害データを集計した「2006年度のウイルス感染被害年間レポート」を発表した。同レポートは感染被害の多かったウイルスのランキング、06年のウイルス傾向などをまとめており、12月20日に発表した速報の最終版となる。
レポートによると、国内のウイルス感染被害報告数は9万1901件で、05年の4万5208件に比べて倍増した。06年度のウイルス感染被害1位は、スパイウェアの「SPYW_GATOR」で件数は2302件。2位以下は、トロイの木馬型の「TROJ_AGENT」(1500件)、ワーム型「WORM_STRATION」(1258件)、同「WORM_RBOT」(1096件)、「JAVA_BYTEVER」(904件)の順だった。
ランキングは、06年1月1日から12月31日までの間に、日本のトレンドマイクロのサポートセンターに寄せられた問い合わせをもとに順位付けを行った。件数は、今後のサポート調査によって変更する可能性がある。「SPYW_GATOR」など、一部のウイルスでは、亜種を含めて件数をカウントした。また、ウイルス発見のみの数字も含めた。
同社では、06年のウイルス総括として、ウイルス作成・配布者の動機の「目的指向への移行」と「不正プログラムのアップデート」を挙げた。スパイウェア、アドウェア、ボットといった、明確な目的を持って作成された不正プログラムは、ユーザーやセキュリティソフトに発見されないように活動するため、発見しにくいという。
また、全般的に機能ごとのモジュール化が進み、最初に侵入したプログラムがインターネットを通じてアップデートを繰り返すため、全体像が把握しにくくなっているとも指摘。今後も、こうした金銭や情報の不正入手を目的とした不正プログラムが蔓延し、亜種作成の激化、標的の小規模化、機能のモジュール化、ゼロデイアタックの頻発など、現在の傾向が引き続くと分析している。
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