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女性ベンチャーキャピタリストだから話せる、VCの魅力と苦労とは - (page 3)

永井美智子(編集部)、田中誠2006年12月25日 08時00分
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勝屋:落合さんは12月から台湾勤務と聞きましたが、貴社は海外勤務希望もきちんと実現させてくれるのですね。

落合:そうですね。日本アジア投資では最近の数年だけでも、タイ、シンガポール、香港、米国など、4人の女性が海外に行っています。海外に行く若手の多くが女性ではないでしょうか。昔から「行きたいのであれば頑張ってやって来い」という土壌がありましたね。私も国内投資部門にいた時からいつか海外投資業務を担当してみたいという希望を出していて、今回台湾へ赴任させてもらえることになりました。そういう意味でも会社にはとても感謝しています。

 国内投資業務を担当していたとき、どこに自分の強みを置こうかと考えました。日々の業務を通じてハイテク関係の知識では、とても男性の先輩社員には敵わないのを痛感していたからです。その時、ビジネス領域が日本国内に留まらなくなっている昨今にあって、より多くの国をビジネス対象にできるコミュニケーション能力があるということは強みになるのでは、と思ったのです。VC業界にはさまざまなタイプのキャピタリストがいますが、日本だけでなく海外でのVC経験もあるという人材はまだ少ないですから。広いビジネスエリアを網羅できるキャピタリストがいてもいいのではないか、と。

勝屋:ベンチャーキャピタリストに向いているタイプはどういう人ですか?

遠藤:ひとつのことをずっと続けていける人だと思います。この仕事はすぐに結果が出るわけではないし、失敗したかなと思っても取り返せたり、失敗してもそれが次につなげられたりしますからね。

 2000年頃、外資系の投資銀行などからものすごく優秀な方がこの業界に入ってきたのに、今は皆さん元の業界に戻られています。企業の経営者もそうだと思うんですが、決して頭が良い順に成功していくわけではなく、成功にはその事業に対する思い入れだったり、それを続けていけたりする力が必要なんだと思うんですよね。みんなからばかにされてもずっと続けてきた人が、結局、今インターネットビジネスでも成功しているんじゃないかと思います。

 女性に向いている職業ということではないんですが、もし向いているタイプがあるとすれば、あきらめの悪い、しつこくやっていくタイプだと思います(笑)

落合:私も女性だから向いているということは感じないのですが、強いて言えばお節介焼きタイプですかね。投資部門ではある程度決められた投資金額があって、常に新規投資をしていくことになります。そうなると新規開拓に意識が行きがちで、既存の投資先のフォローが後回しになってしまうことがあります。新規投資案件を進めつつも、常に頭のどこかで「あの会社がこういう会社と接点を持ちたがっていたな」というようなことを考えられるタイプが向いていると思います。

長谷川:私自身の性格でもあるんですが、やはり前向きな気持ちと向上心を持っていることが一番大切だと思います。会社の経営には波があるはずで、その中で一緒に悩みつつも、プラスの方向にいくための手段を前向きに考えられる人が向いていると思います。

日本アジア投資落合氏

勝屋:VCの社会的な意義はどんなところにあると思いますか。

遠藤:やはり新しい産業を世の中に出していくサポートができることだと思います。VCにビジネスのアイデアはなく、あるのはお金だけといってもいい。でもそのお金をきちんと流してあげることで新しい産業、新しい事業が生まれるお手伝いができるのが大きな意義だと思います。

勝屋:仕事をしていく中で、自分のモチベーションを保つためにしていることはありますか。

遠藤:私の場合は、自分の裁量で動ける立場になったからだと思うんですが、効率よくやっていけば自分の時間も取れるようになりました。精神的なタフさは確かにあるんですが、性格的にあまり引きずらないタイプなので、今はダメでもそのうちうまくいくんじゃないかという根拠のない自信で乗り切ったりしています。

 あと、今まで誰かに言われた小さな言葉に救われることもありますね。例えばまだこの仕事を始めたばかりの頃は、何も分からない女の子が経営者と話してどうするんだという目で見られたこともあったんです。そんな時にある経営者の方から「仕事はどう?」と聞かれて、「気の強さだけでやってるようなものです」と答えたことがあるんですよね。そうしたら「でも仕事の8割は気の強さだよ」とおっしゃってくれたんです。

 日本の社会では気の強い女の人って嫌われますよね。少なくとも気が強いというのは女性に対する褒め言葉にはならないと思うんです。それなのに自然な感じでそうおっしゃって頂けて、すごく救われましたね。このままでもいいんだと思えました。

落合:私はふたつあって、ひとつは今の仕事が自分が目指す目標につながっていると信じること。もうひとつは弱気な自分に負けないようにすることです。要は負けん気ですね(笑)。仕事で失敗したりうまくいかなかった時に、いつか挽回してやると思う気持ちで乗り切っています。やっぱり私も気が強いんでしょうか(笑)

遠藤:私、最近思うんですけど、気が強くない女なんていないですよ。

落合:それは名言ですね!(笑)

勝屋:面白いなあ。長谷川さんはどうですか。

長谷川:私はストレスをためないんですよね。分からないことはまだいっぱいありますが、分からないことは何でも聞けるという環境があるので恵まれています。

ネットエイジキャピタルパートナーズ アソシエイト
長谷川彩子

2001年4月三菱自動車工業に入社。資金部海外債権債務に所属し、輸出・海外の財務管理を行う。2004年よりベンチャー企業へ転職。創業時のスターティングメンバーとして決済、人事、営業など多岐にわたる業務を担当する。2005年住信インベストメントに入社。2006年3月にネットエイジキャピタルパートナーズに入社し、アソシエイトとして投資業務に従事。

趣味:卓球、スノーボード、ラジオを聴くこと

投資先: ミウ・コスメティックス青山プランニングアーツインフォテクトオトバンクダイレクト・アクセスシリウステクノロジーズパテントビューロ阪神酒販マルチリンガルアウトソーシングライフバランスマネージメント

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