モバイルにおけるソーシャルメディアでは、KDDIとグリーが11月16日から始めた「EZ GREE」やディー・エヌ・エーが展開する「モバゲー」などが注目されている。
EZ GREEについて笠原氏は「キャリアと提携すると“深く”できると思いますので、うらやましいというのが率直な感想。当社も携帯は18億ぐらいページビューがあって、今後もまだまだ伸びると思っている」とした。モバゲーについては「未成年者がたくさん入ってきていると思うので、それをどうするつもりなのか興味がある。特に、未成年者のトラブル対応を聞きたい」と、利用者層にフォーカスした点に注目していることを強調した。
モバイルソーシャルメディアが注目されるのは、ネット文化圏とケータイ文化圏が全く違う発展を遂げているという仮説が信憑性を帯びてきたためだ。今となっては、ネットで成功している企業が必ずしもモバイルで成功するとは限らないというのは常識となった感もある。また、mixiでは「最近は友達の家や学校のPCで登録だけをして、あとはずっとケータイで使っているという人が多い」(笠原氏)という、PCとケータイの利用者がはっきりと分かれている状況が確認されている。
そのため、ネットに比べて圧倒的に市場分析や個々の事例研究が知られていないモバイルは、今後も研究対象として各方面から注目を集めると見られる。
藤田氏は「アメーバモバイル」の事例を取り上げ、この半年間でページビューが約5倍に伸び、全体の3割ぐらいをモバイル経由の利用者となった要因について、「PCユーザーの接し方とケータイユーザーの使い方は全然違う。ユーザーインターフェースをPCとモバイルでは別々に作らなければならないというのがポイント」とした。
これを受けて伊地知氏は「使い方は確かに違うが、人が欲しているものはそんなに変わらない。ケータイユーザーはものすごくメールを使うが、それをSNSでやれればいい。インターフェースは違ってもやりたいことは変わらないのだから」と、根本的な利用者の需要は変わらないとの見解を示した。
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