ワシントン発--連邦通信委員会(FCC)は米国時間12月20日、複数の委員が反対するなか、電話事業者のテレビ市場参入を容易にする規則を承認した。
これにより、地方自治体は一定期間内にフランチャイズ契約の申し込みを認可することを課される。またFCCは不当な条件がフランチャイズ契約に盛り込まれないように地方自治体を監視する権限を持つことになる。新規則は民主党の委員2人が強く反対したものの、3対2で可決された。
FCCのKevin Martin委員長は、「(FCCは)マルチチャネルプログラミングの実現に向け、市場競争が促進されるよう全力を尽くす必要がある」と述べている。同氏はまた、競争を促進し、サービス価格を引き下げるために考えられる方策として最も確実なのは電話事業者の参入を容易にすることだと主張した。
20日に当地で開催された公聴会では、新しい規則の内容が説明された。それによると、地方自治体は、新規参入を申し込んだ企業を6カ月以内、当該地域の公共設備を既に利用している企業を90日以内に承認しなければならない。また、フランチャイズ料に制限を課し、不公平な放送時間枠を割り当てることや、既存のサービス提供企業には求められていない、特定地域へのサービス提供を命じることを禁止している。
新規則は、米国の主要電話事業者各社の要求に応じたものとなっている。各社は、テレビ放送サービスに参入する際に地域でのフランチャイズ契約を獲得するために必要な地方自治体との交渉プロセスについて、厄介で時間がかかると、不満を表していた。
電話事業者各社はFCCの判断を好意的に評価している。Verizonで規制当局への対応を担当するシニアバイスプレジデントSusanne Guyer氏は声明で、FCCは「ケーブル利用料金が急騰していることにうんざりし、サービスプロバイダーや番組の選択肢が広がって欲しいと望む消費者の味方になっている」と述べた。VerizonではFiosテレビ放送サービスの提供に向け、積極的なスケジュールを考えており、FCCの判断はこれを実現するのに役立つと、Guyer氏は加えた。
FCCの説明によると、この規則は全米で共通の指針を確立することを目指したものだが、すでに施行されている州法に優先するものではないという。米国ではテキサス州とカリフォルニア州を含む14州が、すでにテレビ放送に関わる法律の改正に取り組んでいる。しかし、通信業界はFCCや議会に、より幅広い救済措置を求めてきた。
この規則に反対したのは 民主党のMichael Copps氏およびJonathan Adelstein氏。両氏は、電話事業者のテレビ放送参入を地方自治体が阻害している十分な証拠はないとし、規則を激しく非難している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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