また、チームラボは検索エンジン「SAGOOL」を提供する。猪子氏はSAGOOLについて「GoogleやYahoo!などの検索エンジンとは異なり、個人の主観や興味などに重点を置くアルゴリズムを持っている」と説明した。
チームラボではそのほかにも、ソーシャルブックマークやリンク集、ニュースサイトなどの情報源をまとめ、ユーザーオリジナルの注目エントリーランキングを作ることができる「BON SAGOOL」を提供する。
さらに企業向けには顧客データや行動履歴などを元に見込み購買商品を抽出して推薦する「レコメンデーションエンジン」、特定の商品とほかの商品の関連性をマッピング表示する「視覚化・ビジュアル検索エンジン」なども提供している。
チームラボでは、ユーザーの嗜好などからお気に入りの車をリコメンドするサービス「Laboo!」をガリバーインターナショナルとともに提供している。このサービスでは同社のリコメンデーションエンジンや視覚化・ビジュアル検索エンジンを導入しており、ユーザーが好みのファッションや気分を選ぶことで、最適な車を推薦するほか、推薦した車と似た特徴を持つ車についても2次元のマップとして表示できる。猪子氏はそういった「商品の可視化」が商品へのアクセスを促すために重要になってくるのではないかと説明する。
検索を軸にサービスを拡大する各社だが、ユーザーからの評価や今後の目標についてはそれぞれ独自の意見が上がった。
宇佐美氏は商品検索で最も重要になるのは「コンバージョンレートの向上だ」という。価格比較サイトではショップのサイトにジャンプし、実際に商品を購入するユーザーがいかに多いかが指標になる。そしてそのために必要なのは、「革新的な機能の追加ではなく、基本機能である検索の強化にある」と語った。
一方Riyaは自社の評価に慎重だ。Shah氏はLike.comについて「今まで無かったサービスなので、ユーザーは熱狂的になっている。しかし3カ月くらい経てばもう少し冷静な評価が出るのではないか」と語るにとどまった。Shah氏はLike.comのサービスを支えるために、日々1000台のサーバが稼働していると説明していることからも、運用コストや負荷といった面での課題も想像できる。
そして猪子氏は現状ではユーザーのニーズにあったサービスを提供できてないのではないかと語る。猪子氏によると、現在、検索エンジンを利用するシーンとしては「ある会社の住所はどこか探す」というように、客観的な事実を調べるために利用されることが多い。そのため、大手検索サイトが提供するテキスト検索がニーズに適したサービスだというのだ。
しかし猪子氏は、「今後商品や画像、動画などの検索が増えれば、客観的な事実が重要ではなくなる」と語る。猪子氏は「たとえば『すし』を検索した際、(SEOを行ったサイトが表示されるのではなく)おいしいすし屋が検索結果として出るべき」と例を挙げ、リコメンドやコンテンツマッチといった同社の技術の可能性を示唆した。
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