IBMとAmazon.com間の特許をめぐる抗争が今週、思わぬ展開を見せた。Amazonは特許侵害でIBMを逆提訴し、さらに先にIBMが同社に対して提起した訴訟について「メリットがない上に、誤解を招く」と激しく批判した。
シアトルに拠点を置くオンライン小売大手のAmazon.comは米国時間12月14日、テキサス州東部地区連邦地方裁判所に答弁書を提出した。その中でAmazonは、同社がIBMの保有する5件の特許を侵害した事実はなく、逆にIBMがAmazonの特許を侵害していると主張した。
Amazon.comの弁護団は、IBMが同社に対して起こした特許侵害訴訟の答弁書の中で次のように述べている。「IBMはAmazon.comの特許を故意に侵害し、Amazonの許可を得たり、対価を支払うことなく、Amazonの技術を利用して商業利益を得た」
IBMは10月、Amazonが、広告からハイパーリンク技術、さらに電子注文システムに至るまで、さまざまな項目をカバーする複数の特許を侵害したとして、Amazonに対する2件の特許侵害訴訟を提起した。
一方Amazonは答弁書の中で、IBMは問題の特許を取得していないはずだとし、その理由として、それらの特許は斬新性、非自明性を備えておらず、またIBMの仕様は、連邦特許法で義務付けられている「完全、明確、簡潔、正確な言葉」で書かれていないと指摘している。
Amazonの弁護団は答弁書の中で、「IBMが行っている特許侵害に関する広範な訴えは、IBMがインターネットを発明したと主張しているに等しい」とした上で、「仮にIBMの主張が正しいとすれば、Amazon.comだけでなく、ワールドワイドウェブ上で電子商取引を行っている全ての人(実際、全てのウェブサイト、また場合によってはウェブブラウザを使ってインターネットをしている全ての人)がIBMに使用料を支払わなければならない」
Amazonはさらに、IBMは同社のアプリケーションサーバ「WebSphere」と情報管理サービスや製品で、Amazonが保有する5件の特許を侵害していると主張している。これらの特許は、検索クエリ、パーソナライズドリコメンデーション、関連製品の発見に関係する複数のシステムをカバーしている。
IBMの関係者は15日、Amazon側の主張を一蹴し、同社はこれまで提起した複数の訴訟を撤回するつもりはないと語った。同社広報担当のKendra Collins氏は、「これら2件の訴訟で示される証拠からAmazonがIBMの最先端技術を侵害した事実が明らかになるだろう。単純明白な話だ」と述べる。
Collins 氏はさらに、Amazonの反訴は「全く無意味」であり、「露骨な法廷戦術以外の何物でもない」と述べ、その理由として、Amazonは4年間におよぶIBMとのクロスライセンスに関する交渉の中で、それらの特許に関する懸念を一切出さなかったと指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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