オープンチャット機能搭載の「Skype3.0」は“地味だが完成形に近い”

岩本有平(編集部)2006年12月15日 18時31分
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 Skype Technologiesは先ごろソフトウェアフォン「Skype」の最新版である「Skype 3.0」を発表した。12月14日にプレス向けの説明会を開催し、同社の現状や最新版の機能説明などを行った。

 同社はPtoP技術を利用したファイル共有ソフト「Kazaa」の開発者でもあるNiklas ZenstoromとJanus Friis、そしてGeoffrey Prenticaが2003年に設立。本社はルクセンブルクにあり、ビジネス拠点をイギリスのロンドンに持つ。研究開発はエストニアのタリンとなっており、約500名の社員の多くはエストニアとロンドンに集まっている。

 現在、Skypeの登録ユーザー数は全世界で1億3600万人に上り、日本国内でも約400万人のユーザーがいるという。また、全世界で1日あたり22万〜23万人の新規登録があり、同時オンライン数は800万人を越えることもあるという。このように大規模ユーザーを抱えるサービスではあるが、PtoPの技術を利用していることから、非常にスケーラビリティのあるサービスと説明する。

 同社の実施したアンケートによると、Skypeユーザーの満足度は非常に高いという。PCやインターネット初心者であってもルータの設定などを気にせず、すぐに通話ができること、通話の品質が良いと評価されたことなどから、ほとんどプロモーションを行わなくとも口コミで話題となり、現在のユーザー数につながったのだと説明している。

岩田真一氏 日本オフィスジェネラルマネージャーの岩田真一氏

 同社で日本オフィスジェネラルマネージャーを務める岩田真一氏は、Skype 3.0について、「ビデオチャット機能を実装したSkype2.0の登場に比べて地味だが、完成形に近い」と語る。

 3.0では、岩田氏が「キラーアプリだ」と説明する新しいチャット機能「オープンチャット」が実装されている。2.0までのチャット機能は、ユーザーは自分のコンタクトリストに登録しているユーザーのみとチャット可能であったが、オープンチャットではコンタクトリスト上のユーザーを招待するだけでなく、HTMLタグをブログやウェブサイトに貼り付けることで、Skypeユーザーであれば誰でも参加することができる。つまり、コンタクトリストにはないユーザーでもチャットができるのである。

 そのほか3.0には、Skypeのプラットフォーム上でサードパーティーが作成した機能を利用できる「Plug-inアーキテクチャ」も実装されている。サードパーティー製のプラグインをインストールすれば、Skypeをプラットフォームにして、テキストや音声、動画以外でのコミュニケーションが可能になる。

 たとえば、1つのスクリーンに複数ユーザーで絵を書ける「Sketch Pad」やアクティブなウィンドウを共有する「Unyte Desktop Sharing」など、数多くのプラグインが用意されている。また、2.0で搭載された大人数での音声通話機能「Skypecast」はSkypeクライアント上から制御可能になった。

 同社は今後、企業向けのSkype導入にも積極的に取り組む考えだ。企業向けに、MSI形式のWindowsインストーラパッケージを提供する。また、私用でのチャットやファイル交換などを禁止したり、負荷の高いスーパーノードになることを回避したりするために、特定の機能を使用不可にするレジストリキーを公開するとしている。

 さらに決済に関しても、決裁権を持つユーザーがグループ内のユーザーに対してSkype InやSkype Out用のクレジットを購入し、分け与えるといった処理を行うコントロールパネルも用意する。今後は、Skype Inで会社の代表電話番号に転送するといった機能も提供していくとしている。

 Skype TechnologiesはSkype InやSkype Outでの課金ビジネスを中心に事業を展開しているが、2005年にeBayの子会社となったことから、eBayやPaypalのサービスとの連携を強化していく考えを打ち出している。他社のメッセンジャーサービスでは広告が掲載されているが、広告ビジネスの提供は予定していないという。

 また、米国では定額制のSkype Outサービスも始まっているが、日本の場合「サービスは難しい。通信会社との共同プロジェクトは実現しても2007年後半になる」(岩田氏)とした。

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