インターネットを使った無料の通信ソフトとして、一気に普及したSkype。その開発者の1人であり、Skype Technologies CEOであるNiklas Zennstrom氏が11月7日に東京都内で開催されたカンファレンス「Skype Day in Japan」に合わせて来日し、Skypeの現状と今後の戦略について紹介した。
「Skypeは通信のありかたを根本的に変える」と話すZennstrom氏 |
Zennstrom氏はまずSkypeについて、「インターネットを利用した通信に特化した唯一の企業」と話す。似たようなサービスとして、MicrosoftやYahoo!のインスタントメッセンジャーが音声対応になっていることが挙げられるが、「彼らは大きな企業の事業の一部としてコミュニケーションサービスを展開しているに過ぎない。我々は通信のあり方をいかに変えるかということに、常に100%の力を注いでいる」と自信を見せる。「MicrosoftやYahoo!がPC間のインスタントメッセージングサービスに音声を乗せているのに対して、Skypeは音声通話に特化している。この2つは大きく違う」
Skypeの評判は口コミで広がり、ユーザー数は急速に伸びている。2004年第1四半期に410万件だったSkypeの登録者数は、2005年第2四半期には4410万件にまで増えた(グラフ)。「1日17万件の新規登録者がいる」(Zennstrom氏)
Skypeがルクセンブルグの企業ということもあり、ヨーロッパのユーザーが全体の45%をしめる。そのほかはアジア圏が27%、北米が20%となっており、「アジア圏では日本のユーザーが最も多い」(Zennstrom氏)とのことだ。
グラフ:Skypeの登録者数の推移 |
Skypeの主な収入源は、Skypeから一般の電話に通話できる有料サービス「SkypeOut」だ。「SkypeOutを使っているユーザーは全体の5%に満たない。しかし、我々はマーケティングコストやインフラ投資が不要で運営コストは非常に低いため、問題はない」(Zennstrom氏)。Skypeの売上高は2005年に約5000万ドル、2006年には約2億ドルとなる見込みだという。
Skypeが成功した理由について、Zennstrom氏はファイアウォールがある環境でも利用でき、ユーザーにとって使いやすいソフトウェアである点を挙げた。今後についても、「常に改善を加えて、ユーザーが使いやすいように、そして品質が良くなるようにしていく」とした。
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