DARPA、市街地での無人ロボット自動車レース上位入賞者に賞金授与へ

文:Stefanie Olsen(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2006年12月11日 19時56分

 米国防総省の高等研究計画局(DARPA)は、2007年11月に行われる市街地が舞台の無人ロボット自動車レースの上位入賞者に総額350万ドルの賞金を授与すると発表した。これまではトロフィーのみの授与が予定されていたが、それとはまさに雲泥の差だ。

 DARPAは、2007 Urban Challengeの上位3チームへの賞金授与を承認した、と同レースの主催者が米国時間12月8日に明らかにした。ただ、DARPAの賞金授与権については、これまで様々な紆余曲折があった。

 DARPAが授与する賞金額は、第1位が200万ドル、第2位が100万ドル、第3位が50万ドルだ。しかし、DARPAの広報担当のJohanna Spangenberg Jones氏によると、同局は「Track B」チームだけに送られる賞金を廃止したという。Track Bチームとは、政府からの資金援助を受けずにレースに参加するチームで、(出場チーム89チーム中)およそ78チームがこのTrack Bチームだ。2007年11月のレースでは、Track Bチームもメインの賞金獲得を目指して戦うことになる。ただ、Track Bチームは最高で15万ドルの追加賞金を獲得できる可能性がある。

 DARPA は、5月に2007 Urban Challengeを最初に発表した際、無人ロボット自動車を操り、市街地を擬したコースを制限時間内に走破させることに成功したチームに200万ドル以上の賞金を授与すると発表した。しかし、その後John Warner National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2007と呼ばれる法案が議会で可決されたことにより、DARPAは賞金の授与権限を失った。同法案では、Defense for Acquisition, Technology and Logisticsと呼ばれる別の政府機関に賞金授与権限が与えられている。そこで同法案が可決された際、DARPAは、第1位から第3位までの上位3チームにそれぞれ200万ドル、50万ドル、25万ドルの賞金を授与する代わりに、トロフィーのみを授与すると発表した。

 しかし、競技者から反発の声が相次ぎ、取得、技術、兵站担当国防次官Kenneth Krieg氏が賞金の授与を承認した。

 2007 Urban Challengeでは、90ものチームが無人ロボット自動車を「操縦」して市街地の道路を走らせ、6時間の制限時間内にどのチームが60マイル(約96.6km)の道のりを最初に走破できるかを競う。2007年11月3日に予定される同レースに出場するロボット自動車には、交通法を守りながら安全に走行できる能力、交通量の多い交差点をうまく切り抜ける能力、車の流れに合流する能力、障害を回避する能力、円形交差点をうまく走行する能力が要求される。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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