Googleは米国時間12月7日、同社の自動広告システムを利用して米国内のラジオ放送で広告を配信できるようにするため、取り組みを進めていると発表した。
「Google Audio Ads」と呼ばれるベータテスト中の同サービスは、Googleが約1年前に買収したラジオ広告企業dMarc Broadcastingの技術を利用することで実現されたもの。
Googleのラジオ事業部門長であり、dMarcの共同設立者でもあるRyan Steelberg氏によれば、今回のテストには、20社強の「Google AdWords」クライアント企業と、XM Satellite Radioを含む730局以上のラジオ局が参加しているという。
こうしたラジオ広告放送は、米国内地域のおよそ87%に相当する、260を超える大都市市場で流されている。
「われわれはGoogleの技術を用いて、dMarcのプロトコルおよびシステムを全面的に改訂した。同サービスの基礎は、Googleの技術に置かれているのである」(Steelberg)
ベータテストへの参加が認められたAdWords顧客企業は、AdWordsシステムにログインしたあとに現れる「音声広告」タグを使用できるようになる。広告主は、オンライン広告のオークションシステムであるAdWordsを利用するときと同様に、広告放送に対する入札を行ったり、地域やラジオ局の種類、聴衆の人口構成、日時などを基準として、広告のターゲットを選んだりすることができるという。
さらに同新サービスでは、広告に関するリアルタイムレポートの参照、放送地域および日時といった設定の変更、放送後の広告の再生などの機能も利用可能になっている。
通常は広告のターゲットを絞り込むほど聴衆率は上がると、Steelberg氏は説明した。
同氏は、テストサービスを一般公開する期日はまだ決まっていないと述べている。
Googleでは、ラジオマーケティングの経験が浅い企業と、彼らのラジオ広告作成を支援する専門家を結びつけるプログラムのテストも行っている。Audio Adsベータテストに参加しているカリフォルニア州サンタモニカのBedlounge.comも、Googleが「広告クリエイティブマーケットプレイス」と呼ぶ同プログラムを利用して、携帯型リクライニング枕のラジオ広告作成を手伝ってもらっていると、同社の取締役副社長Richard Swezey氏は話した。
「入札してから12時間以内に、詳細とは言い難い情報を基にしているにもかかわらず、完璧な広告が送られてきた。初めてそれを聞いたときは、出来映えにひどく感心したものだ」(Swezey氏)
最低入札額は100ドルだが、同氏は300ドルを提示したのだという。
Googleには、直接的な営業をするスタッフを雇い、昔ながらのラジオ広告代理店や広告バイヤーに売り込みをかける予約制のシステムもあると、Swezey氏は述べている。
ここ最近Googleは、利益性の高い同社のオンライン広告システムを、ほかの市場にも浸透させようと奔走している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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