Wall Street Journalが、Yahooでシニアバイスプレジデントを務めるBrad Garlinghouse氏によって書かれた大胆な内部メモを掲載した。米国時間11月18日に関連記事(オンライン購読申し込みが必要)とともに掲載された「Peanut Butter Manifesto」の記事の中でGarlinghouse氏は、インターネット界の大手企業であるYahooは広く浅いサービスしか提供できていないとして、管理体制の大規模な見直しと15〜20%の人員削減を求めている。
「われわれはすべての人々に対し、あらゆるサービスを提供したいと思っている。これは長年掲げてきた目標であり、常に議論してきたことでもある。だが、これを根本的に解決するための対策は何も講じられていない。われわれは取り残されてしまうことを恐れているのだ・・・」と同氏のメモには書かれている。「われわれの戦略は、オンライン世界に広がっている無数のチャンスの上にピーナッツバターを塗っているようなものだと揶揄(やゆ)されているのを耳にした。その結果、すべての領域に広く薄く投資が拡散し、何1つとして特出した専門分野を持てずにいる。わたしはピーナッツバターは嫌いである」(Garlinghouse氏のメモ)
同氏のメモに対し、ブロガーからは、Garlinghouse氏の見解は非常に鋭いという賞賛の声が上がった。細部に対するビジョンを失ってすべてに手を広げようとする姿に対する今回の批判は、Yahooに限らず多くの企業にあてはまるというのが、彼らの意見だ。またピーナッツバターを用いた比喩(ひゆ)表現をさらに応用してみせるブロガーもいた。
以下がブログコミュニティの反応である。
「ピーナッツバターを塗るにしても、スムースタイプにするか、クランチタイプにするかをちゃんと選択しなければならない。今のYahooはスムースタイプを選んだ結果、Googleでいう検索、MicrosoftでいうOSや生産性アプリといったような、キラーサービスを世に送り出せずにいる。クランチタイプの戦略を用いて、同社のコアとなる特徴あるサービスを提供する必要がある。その他のサービスも、直接的であれ間接的であれ、コアサービスの強化に役立つ限りは継続してもよい」--michael parekh on IT
「論じるよりも行動することが大切だ。Garlinghouse氏は、Yahooには(内部で開発したプロダクトや、買収により得たプロダクトを含めて)競合するプロダクトが多すぎると嘆いている。Yahooが『Yahoo Talent Show7』という新しいコンテストサイトを立ち上げてからまだ1カ月も経っていない。なのに今度はBixを買収している。メモを漏えいすること以上に、構造改革は難しい作業になるだろう」--GigaOMのLiz Gannes氏
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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