では、圧縮音源の高音質化技術「Bit-Revolution」(ビット・レボリューション)の具体的な内容をみていくことにしよう。「Bit-Revolution」は大きく分けると、以下3つの要素から構成されている。
【高域補間】
MP3など圧縮音源に変換する際にカットされる16kHz以上の音や、CDでカットされている22kHz以上の音を、48kHz(ハイエンド)または24kHz(スタンダード)まで補間する技術だ。
これまでも圧縮音源の高域を補間するテクノロジーはあったが、それらはMP3の音質をCD音質にまで拡大させる22kHzまでがせいぜいだった。ところが、ハイエンドタイプ「Bit-Revolution」では、MP3などの圧縮音源も48kHzというSACDに迫る再生ができてしまう。
楽器に固有の倍音成分を利用して高域を復活させるため、より自然で無理のないサウンドが再生される。実際の操作はPCの画面を見ながら音を調整していくのだが、音量調節や音場の選択など簡単な操作はリモコンで対応できる。
【スムージング】
一言で表すと音をより滑らかにする技術のこと。アナログの音波は滑らかな曲線になる。だが、デジタル信号は、全てを0と1で表現しなければならない。
そこで、1秒間を数万分の1に区切り(サンプリング)、その一瞬の音をビットに置き換え音波を表す。分割するサンプリング数とビット数を細かくすればするほど、階段状のジグザグな粗い線が細かくなり、アナログの音に近づく。
ちなみにCDのサンプリング周波数は44.1kHz(1秒間を4万4100に分割)、ビット数は16ビットになる。ハイエンドタイプの「Bit-Revolution」では、音楽CDでも、サンプリングレートは44.1kHz(1秒間を4万4100に分割)から96kHz(1秒間を9万6000に分割)と2倍以上に、ビット数も16から24ビットへと拡張できる。
【聴覚感度補正】
従来のような音質調整に加え、聴取感度をアップさせる機能を搭載しているのも、「Bit-Revolution」の大きな特徴だ。人は一般的に18歳を頂点に、歳を重ねるごとに高音域が聞こえづらくなる。そこでユーザーの聴力をPCでテストし、聞こえづらい帯域を強調するなどして、人によって変化する聴力の問題を解決している。
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