飛行機の友、安眠の友、ノイズキャンセリングヘッドフォン--お気に入りガジェットバトン第4回

西川善司(トライゼット)2006年11月17日 22時09分

飛行機の中でのビデオ鑑賞の敵~それは飛行ノイズの轟音!

 仕事柄、飛行機に乗ることが多く、機内では録り貯めたビデオなんかの消費時間に充てている。その際、困ってしまうのが音声。飛行機の中はゴーっという飛行音だかエンジン音が鳴り響き、音声が聞き取りづらいのだ。

 普段、町中で聞いている通常音量では轟音ノイズが邪魔をして聞きづらく、あり得ないくらいの大音量にしないと、聞きたい音が聞こえてこない。大音量にしすぎると耳には良くないし、何か良いものはないかと探して巡り会ったのが、ノイズキャンセリングヘッドフォンの定番、BOSEの「QuietComfort」(以下QC)。

BOSE QuietComfort2。QuietComfort1から移行する前に一回浮気してひどい目にあった BOSE QuietComfort2。QuietComfort1から移行する前に一回浮気してひどい目にあった

 私が最初に購入したのは、そのQCの第一モデルで、購入時期は2002年。ヘッドフォン自体は現行のQuietComfort2(以下QC2)とほとんど変わらない耳を完全に覆うアラウンドイヤータイプで、頭頂部にバンドを掛けて装着すると丁度、胸のあたりに四角いコントロールボックスが来るような無骨なデザインが印象的だった。コントロールボックスは電池ボックスと信号処理ロジックを内包しており、ヘッドフォンを付けたまま歩いたりすると、胸に当って痛い。よってこれを胸ポケット等に入れて活用するのがフォーマルスタイルであった。

轟音が消える! 音が聞こえる!

 ヘッドフォンの中に実装されたマイクが周囲の環境音(ノイズ)を捉え、この波形を逆位相化し、再生する音声信号と合成することで、環境音を消し去って希望の再生音声信号だけを鳴らす……というのが大ざっぱなQCの仕組み。

QC2の内部図解(BOSEサイトより) QC2の内部図解(BOSEサイトより)

 実際、飛行機の中でスイッチを入れると、フッと轟音が消えて再生音声が鮮明に聞こえ出す。飛行機ノイズは完璧には消えないにせよ、明らかにノイズが低減されているのが実感できるのだ。飛行機の中で普段聞いているのとほぼ同じ音量でソースが聞けるようになり、「これはすごい」と感動したものだった。飛行機の中だけでなく、地下鉄の車内でも効果大。音楽も聴かずに、単体で使用すると周囲の環境ノイズが消えるので安眠グッズとしても使えてしまう。部屋にいるときや雑踏の中で使えば集中力支援にもいい。

 このQC、2年ほど使ったが、最後は左右2基のヘッドフォン部の付け根のプラスチックが割れてしまう。瞬間接着剤がお馴染みのTVCMのようには効くわけもなく、結局買い替えることに。

 この時、さらにノイズ低減機能と音質を向上させたQCの次世代機QC2も発売されており、買い替えも検討したのだが、BOSE製品は高価だったこともあって、ちょっとケチって価格的に大部安い日本の某有名メーカー製に浮気してしまう。ところがノイズ低減機能の効きは甘いわ、音質も悪いために速攻で手放すことに。

 結局は次世代機QC2を購入することになった私は「安物買いの銭失い」の真骨頂を極めたのであった。

 さて、QC2では初代QCで胸に当たってじゃまくさかったコントロールボックスがヘッドフォンユニット側に統合されてスッキリとなっており、性能にも文句なし。まさに“2”と呼ぶに相応しい完成度だったわけだが、一点重大な弱点が。

 それはヘッドバンドとヘッドフォンユニット部を接続している付け根部分が折れやすいというもの。最初のQC2はわずか1年も経たないうちにここが割れてしまい、無償修理をしてもらうも、時限装置でも入っているんじゃないかと疑ってしまうほど正確なタイミングでそのさらに1年後の今年2006年でも同じカ所がが割れてしまう。私は、QCシリーズの凄さを仲間にアピールしていたこともあって、私の回りには数人のQC2ユーザーがいたのだが、その全員が同じ症状に悩まされたわけだから相当な確率でこの症例が出ていたと思われる。

 おそらく相当数のクレームもあったのではないだろうか。さすがのBOSEも最終的には対策を講じた様子で、この付け根部分を強化プラスチックで覆って改善を試みている。

QC1からQC2へ。今年はQC3も登場!

 筆者は試したことがないが2006年の今年、最新モデルとして「QuieComfort3」(QC3)が追加されている。こちらは耳を覆わずに耳にあてがうヘッドフォンユニットが小型のオンイヤータイプとなり、ノイズキャンセル機能自体をさらに強化した製品になっているとのこと。バッテリーも専用充電式となったが、単四電池が使えたQC2よりも動作時間は短くなっている。

単4電池はここに入る。1つの単4電池で30~40時間の連続使用が可能。電池はかなり保つ 単4電池はここに入る。1つの単4電池で30~40時間の連続使用が可能。電池はかなり保つ

 補強改良されたQC2の評判は高いようで、実際、QC2も今後併売されていくそうだ。単四電池が使えて動作時間が長い点、圧迫感の少ないアラウンドイヤータイプのヘッドフォンユニットが好きなユーザーにはQC2の方がお勧めだろう。

 QCシリーズにはキャリングケースが付いていて、そこにはQC製品の小型の宣伝カードが10枚、封入されている。これは「その製品なに?」と人に聞かれたときに「これだよ」と配るためのもの。口コミを重視しているBOSEらしい戦略だといえる。

 QC2をしている私を見かけたら遠慮なく「その製品なに?」と声をかけてくださいね。

専用キャリングケースが付属。ipod nano程度のオーディオプレイヤーはこのケースに入れられる。キャリングケースの左には友達に配り用の名刺サイズのチラシが折り込まれている 専用キャリングケースが付属。ipod nano程度のオーディオプレイヤーはこのケースに入れられる。キャリングケースの左には友達に配るための名刺サイズのチラシが折り込まれている
QuieComfortをこよなく愛する
西川 善司氏プロフィール

お笑い芸人系テクニカルライター。大画面映像機器評論家。車好き。最近、筑波サーキットでクラッシュして愛車が大破し、その修理費の出費の影響でPS3もwiiも買わずに慎ましい生活を送っているらしい。最近は人に会うたびに安達祐実代表作の名ゼリフを叫んでいるらしいが……。

【使用製品】

型番 BOSE QuietComfort2

購入時期 2002年6月 QuietComfort

     2004年1月 QuietComfort2

【お気に入り度合いを一言で表現してください】

乗り物(電車、飛行機)に乗るときの友

【次回バトンを託すのは?】

平澤 寿康さん

【次回の執筆者に一言】

PC系を専門にしていた平澤さんですが、もともとグルメな彼は、最近では、なんと白物家電なんかも深く研究されている様子。何が出てくるか、楽しみです。

【バトンRoundUp】

START第1回:澤村 信氏(カナ入力派の必須アイテムとは?)→第2回:朽木 海氏(ウォークマンとケータイをまとめてくれる救世主とは?)→第3回:大和 哲氏

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