MySpace元会長が立ち上げた謎のネットメディア企業--軍資金2億ドルの使途は?

坂和敏(編集部)2006年11月16日 20時16分
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 本欄でもこれまでに何度か触れたことのある「MarketWatch」のBambi Franciscoが面白いインタビュー記事を公開していたので、今日はこれについて紹介したい。

 米国時間16日付の「Media is hungry for acquisitions−Commentary: Former MySpace chairman buying up niche content」のなかに、FranciscoはMySpaceの会長を務めていたRichard Rosenblattという人物のインタビューを掲載している。MySpaceといえば、Tom AndersonChris DeWolfeという2人の創業者が常にその「顔」としてメディアで取り上げられてきており、このRosenblattという名前ははじめて目にした。そのRosenblattが、News Corp.によるMySpace買収で同社を離れた後に始めた新会社「Demand Media」が、このインタビューの焦点となっている(Franciscoのブログのほうでは、Web 2.0 Summit会場で撮されたこのインタビューのビデオも観られる)。

 さて。問題のDemand Mediaだが、Rosenblattは自ら「新しいメディア企業("new-media" compnay)と称するこの会社の資金として、すでに2億ドルを超える金額を集めており、同社の評価額は現在MySpaceの売却額にほぼ相当する5.8億ドルレベルまで達しているという。ブログネットワークなどの新興メディア企業への出資が相次ぐ米国でも、よく目にするのは300万〜500万ドル(ベンチャーキャピタルによる2ndラウンド出資)で、昨年AOLに買われたJason CalacanisのWeblogs,Inc.でさえ、買値は2500万ドルほどだった。それを考え合わせると、Demand Mediaの軍資金がいかに異例の規模であるかが推測できると思う。

 このインタビュー記事の「枕」の部分には、「Rosenblattはこの資金を使って、ニッチなネット企業を買収する計画だ」との記述があり、またRosenblattの答えのなかには「ニッチなコンテンツに特化した『バーティカル』サイトを買収した上で、それに独自のニューメディアツールを追加することで、このバーティカルサイトを、成長の早いCGMに焦点を絞ったコミュニティ・バーティカルに変身させる。こうしたサイトには他にはない、とても面白く常に更新されたコンテンツがある(それがニッチ番組を集めたケーブルテレビ局との違いだ)」との説明もある。さらに、「コンテンツの制作や配信、広告販売についても(これまでのメディアとは)コスト構造が異なる。ユーザーのつくるコンテンツの制作費はほとんど(もしくは、まったく)かからないし、広告販売にはパートナー企業の力を借りているので、自前の営業部隊を抱える必要もない。さらに、われわれの保有するドメイン(名)を経由した『ダイレクト・ナビゲーション』から相当量のトラフィックが稼げている」という違いの指摘もある。

 さらに、Franciscoが、ブログなどをつかって新メディアを立ち上げるには比較的少ない金額しか必要なくなっている点に触れながら、「2億ドルも集める必要があった理由は?」と尋ねると、Rosenblattは「大きくなるつもりがないなら、さっさとやめたほうがいい!("go big or go home!")」とした上で、「多数のドメイン、ニッチなコンテンツ、他にないツールと技術を組み合わせることで、次世代のメディアプラットフォームを構築するとても大きな機会が市場にある」「(この機会をモノにするためには)規模の大きさとスケールすることが重要だ("Size and scale matters")。そして、多くの資金をつかえば、市場でのリーダーシップ・ポジションを素早く確保できる」と回答している。

 ここまで読んでみても、正直なところ私には具体的なイメージが浮かんでこなかった。そこで、Demand Mediaが実際にはどんな会社なのか、どんなサービスを提供しているのかという点を調べてみると、次のようなことがわかった。

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