ウォークマンケータイには処理チップも内蔵メモリも、音楽専用のモノが用意されている。そのため音楽再生は最長30時間を実現し、高音質化の処理も施されるリッチな環境を手に入れることができる。そこに音楽専用のメモリが1Gバイト用意されていれば、このケータイを以上に音楽を楽しむことができる端末が見つけにくくなることは言うまでもない。当然メモリースティックDuoを追加すれば2Gバイト(将来的には4Gバイト)の音楽を追加して持ち運ぶことができるが、再生時間は内蔵メモリを利用した際よりも短くなる。
W42Sに対してパソコンからSonicStage CPとau Music Playerを使って転送できる。そのため対応する音楽フォーマットは、ATRAC3plus・ATRAC3・WAV・MP3・WMA・AAC・HE-AACと幅広い。ちなみに前にシャトルプレーヤーをご紹介したが、auの音楽ケータイの基本であるLISMO(au LISTEN MOBILE SERVICE)の標準プレーヤーである「au Music Player」も搭載している。ミュージックシャトルの再生ボタン長押しではシャトルプレーヤーが、メニューからはau Music Playerが、それぞれ起動する仕組みになっている。また内蔵メモリやメモリースティックDuoの音楽を聴くだけでなく、FMラジオの放送を聴くこともできる。当然通信を使って流れている楽曲の情報を取得することも可能だ。
一通り音楽機能の充実ぶりはわかっていただけたと思う。その他、WINの基本機能のサポートとして、HelloMessenger、PCサイトビューアー、赤外線通信をサポートしている。またau ICカードを用いたグローバルエキスパート(GSM端末と組み合わせた海外ローミング)、GPS機能を用いたナビゲーション機能などには対応しているものの、FeliCaチップは搭載しておらずおサイフケータイ機能を使うことはできない。ソニーエリクソンの端末だけに対応していて欲しかったが、次回作を待つことにしよう。
カメラは122万画素パンフォーカスCMOSと控えめなスペックだが、暗い部分を補正してくれる「ルミナスエンジン」を備え、キレイな写真を得られるようになっている。
どっぷりと音楽生活をしたい、でも持ち物は減らしたい、そんなカジュアルユーザーにとって、このウォークマンケータイの存在はとても大きなモノになる。普段聴いている音楽はケータイに入っているし、ラジオも聴けるので新しい音楽をすぐチェックしてMusic Storeから購入することもできる。最先端の音楽シーンを追いかけるにはもってこいのケータイである。
一方でレコードショップをはしごしたり、特定のジャンルを深掘りしたり、はたまた出会いを求めてジャケ買いに走るような、マニアックに音楽を攻め続けるユーザーにとって、このウォークマンケータイは響くだろうか。僕も含め、面倒くささ以上にある程度の音質を求める訳で、聴いた感じではau Music Playerの48kbpsはフラットになった感じ、ATRAC3 132kbpsでも僕が聴くクラブジャズの音楽では鋭い高音が毛羽立ってしまっていて気持ちよくない。
ポピュラーソングの比重が低いマニアックなユーザーはターゲットになっていないのかもしれないが、DJとしてスピンもやっている一音楽ファンとしては、せっかくウォークマンの名を取るケータイならば、もう少しがんばって欲しいと思ってしまう。
しかし一方で、マニアックに走っていて最近の音楽シーンを追えていないユーザーにとっては、最新の音楽を簡単に購入して取り込み、楽しむことができるこのケータイがきっかけで音楽の視野が広がる可能性もある。自分の音楽遍歴と相談しながら、きっと良いポジショニングが見つけら得ることも事実だ。そのくらい、ケータイで音楽を聴くことに至れり尽くせりの端末であることは間違いない。
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