投稿動画の見所を視覚化--SB子会社の技術支援でサービス開始

島田昇(編集部)2006年11月09日 11時33分

 スフィアテクノロジーは11月8日、ネット上に公開されているお気に入りの動画に付加価値を加えて共有するコミュニティサイトを開設した。

 利用者はワンクリックでビデオごとの見所を波形グラフで視覚的に紹介することなどができる。「YouTube」など個人による動画投稿ポータルが急速に人気を集めている背景を踏まえ、公開済みの動画を軸とした別の切り口でのサービスを提案。今後は動画検索サービスを加えて早期に利用者数100万人の獲得を目指し、広告事業をベースに収益構造を確立する。

 新サービスの名称は「VIDEO CHOP!」。ソフトバンク子会社の技術支援を受けてサービス化した。ネット上の動画をブックマークしたり、効率的に動画を検索する機能を軸に、YouTubeなどにある動画の掘り起こしと価値向上が見込めるサービスとなる。検索機能はまだ実装していないが、年内をメドに開始する。

 先行して開始した通常のブックマーク機能では、そのほかに「手品」など視聴者がお気に入りのカテゴリを自由に作成したり、映像内容に対するコメントや5段階での評価などができる。

 最大の特徴にしているのは、動画視聴時に「CHOP!」ボタンをクリックすることで、簡単にどのシーンが面白かったのかをグラフ化できる機能。これにより閲覧者は「どの辺りが面白いのかを直感的に知ることができる」(ソフトバンクRobo社長の渡部薫氏)という。

 検索の導入と併せて広告事業を開始。通常のバナー広告などのほか、視聴者の評価によるランキングと連動した動画広告モデルなど、新たな広告手法にも着手する方針。利用者100万人、カテゴリ数1000件、ビデオ投稿数5000本の規模に達すれば、「広告主はかなりの費用対効果を見込める」(渡部氏)としている。

 ソフトバンクRoboはWeb 2.0関連のサービスを提供する企業で、これまでは動画検索サービスなどの事業を展開。グループ会社のヤフーにも同サービスを提供していた。一方、ここ最近でYouTubeに動画閲覧の利用者が集中したことで、動画関連サービスの提供者は抜本的な事業転換を迫られている。同社は動画検索に加えて急増する動画を視覚的に選別できる機能を提供することで、「数ではなく質で勝負する」(渡部氏)としている

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